第11話 【Mountain hot spring】
大きな窓ガラス越しの日本庭園に見惚れていた、が、気が付けばいい時間になっていた。食事前に温泉に浸かって、体を清め、身支度を整えてから食事へ向かうとことと母と話した。
浴衣と半纏を着て、まずは温泉の大浴場へ向かう。浴衣を着て、親子横並びに館内をゆっくりと歩きながら大浴場へ向かう。宿の通路には小川も作られており、日本旅館の良さを感じ取れる。小川から聞こえてくるせせらぎの水音を感じながら、なんだかゆっくりとした時間が流れている気がした。
やはり、日本人には温泉旅館が似合うなって、一人物思いにふけっていた。僕もこの年になったから、日本の温泉旅館の良さを感じ取れるようになったのかもしれない。
整えられたカーペットの床を歩きながら、今の幸せをかみしめていた。
一年前の悲しみを考えると、時間が経つと状況も一遍するもんだなと実感した。父が危篤といわれ帰省した際には、まさか母とゆっくりと温泉旅館に来る何度とは思ってもみなかった。そのころの母は父の看病疲れもあり、かなりやつれていた。今でも父を亡くした悲しみはいえてはいないけれども、時間が経つことによって心の傷は、少しづつ癒されていく。
そうしないと人は生きていけないものだと思う。
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