【実話】僕の彼女は、髪の毛に感覚があるらしい

ケイティBr

不思議な彼女

 ある日、僕がリビングのソファーで寝そべりながらソシャゲで遊んで居ると、 

 最近同棲し始めた彼女から声を掛けられた。


「ねぇ、いま時間ある?」


「あるけど。なに?」


「ちょっと、お願いがあるんだけどさ」


「うんうん。それで?」


 今も同じ会社の別部署で働いて居る彼女は

 ショートボブの愛嬌のある元気っ子で、いつも僕を明るくしてくれる。


 でも、今日はその頭のてっぺんにあるアホ毛の様子がおかしい。

 いつもはピンっと立っているのに、今は萎れている。


「それがさ、私。白髪が生えたみたいなの」


「え? そんな風には見えないけど」


「いや、あるのよ。ここよ、ここ」


 そう言って、彼女は、自分の頭のてっぺんを僕に差し出してきた。

 でも、見てもよく分からない


「えー。ほんとう??」


「ここだって、ちゃんとみて」


 自分の白髪の位置がわかるなんて、そんなアホな話あるかよ。


 と思いながら、見ても、なかなか見つからなかった。

 でも、彼女は『絶対あるからちゃんと探して』と言うので

 時間を掛けて、よく探すと本当に小さい白髪があった。


「うそ。本当に白髪があるんだけど」


「それ抜いてよ。かゆいのよ」


 と言いながら僕にピンセットを渡してきた。

 どうやら自分で抜こうとして上手く出来なかったらしい。

 っていうか、かゆいって何???

 そんな事を思いながらもピンセットで白髪を抜いた。


「ほら。とれたよ」


「やった! ありがとう! それと、ここにもあるから探して」


 と言って、別のところを指定してきた。

 そして本当に白髪があった。。。


 どうやら。僕の彼女は髪の毛に感覚があったらしい。


おしまい

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あとがき


【KAC2022参加作】お題:第六感


『白髪の位置がわかる彼女』に関しては実話です。

人体は不思議に満ちてるようです。


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