第2話:ゴッドドラゴン
聖歴1216年1月1日:エドゥアル視点
上位神から押し付けられた、忌々しい称号と神与スキルが消えていてくれ。
『エドゥアル』
種族:人間
称号:聖者の末裔
:異☆☆☆☆の☆☆者
:上位神に選ばれた者
:勇者に罠に嵌められ殺されかけた者
:元勇者の育成者
レベル:1890/∞
「基本能力」
HP:189587
MP:389445
命力:219218
筋力:184230
体力:199542
知性:189043
精神:189053
速力:189218
器用:189431
運 :189555
魅力: 15
「魔力属性」
魔力:189000
木 :189000
火 :189000
土 :189000
金 :189000
水 :189000
陰 :189000
陽 :189000
「スキル」
一般:猟師
:剣師
:戦士
:槍師
:魔術師
:治癒師
:上位6つ以降は非表示
神与:大育成者
「装備武器」
ショートボウ(自己強化)
スピア(自己強化)
ロングソード(自己強化)
ジンガサ(レザーヘルメットを自己強化)
チェインアーマー(自己強化)
レザーアーマ(鉄板や魔獣素材で自己強化)
コテ(レザーガントレットを自己強化)
スネアテブーツ(レザーブーツを自己強化)
ウッドスモールシールド(自己強化)
やった、称号が『勇者の育成者』から『元勇者の育成者』に変わっている。
神与スキルからも『勇者の育成者』が消えている。
これでクズ勇者のお守から解放された。
後は父さんと母さんをあの村から逃がせば自由に生きていける。
「グワアアアア、妾の安寧な眠りを妨げる愚か者はどこの誰じゃ」
普通のダンジョンでは考えられない巨大なボス部屋一杯に、大山脈のように強大な体躯のドラゴンが突然現れた。
「「「「「ウッワアアアアア」」」」」
「黙れ、うるさい」
突然ゴッドドラゴンが現れた事で、300人の奴隷たちが一斉に恐怖の悲鳴をあげたが、ゴッドドラゴンに一喝されて何も言えなくなっている。
さすがゴッドドラゴンと言える迫力だ。
「お前はゴッドドラゴンか」
「そうじゃ、妾こそ由緒正しき龍神の末裔じゃ」
「俺たちはその由緒正しい龍神の末裔を従魔にするための生贄らしいのだが、本当にそんな約束を誰かとしたのか。
それで由緒正しい龍神の末裔だと言えるのか」
「クッ、約束したくてしたのではないわ。
あのクソ忌々しい管理神の奴に脅されて、仕方なく交わしたのじゃ」
「俺たち300人をこうして生贄に捧げた時点で効力があるのか。
それとも俺たちを殺すか喰らうかしたら成立するのか」
「クッ、食べたくもない人間を食べなければならない誓約を管理神にさせられた。
悪いがお前らの身体と命を喰らわねばならぬ」
「ほう、おもしろい、管理神と言う奴が黒幕なのだな。
神の施した誓約とやらがどれほどの力を発揮するのか確かめさせてもらおう。
望診と聞診は終わっているから、問診と切診をさせてもらう。
だが、俺は慎重な性格でな、問診と切診は安全第一でやらせてもらう」
「体力補助、攻撃補助、筋力補助、防御補助、魔術補助、速力補助、回復補助、精神補助、命力補助、魔力補助、回避補助、必中補助、体力強化、攻撃強化、筋力強化、防御強化、魔術強化、速力強化、回復強化、精神強化、命力強化、魔力強化、回避強化、必中強化、ダメージ軽減、ダメージ無効スキル、ダメージ反転」
「おい、こら、待つのじゃ、何だそのでたらめな補助魔術と強化魔術は。
それだけの補助魔術と強化魔術を重ね掛けできる魔力量が人の技か」
「ふん、この程度で驚いていてどうする。
これからお前にも魔術を掛けてやるのだぞ」
「体力低下、攻撃低下、筋力低下、防御低下、魔術低下、速力低下、回復低下、精神低下、命力低下、魔力低下、回避低下、必中低下、体力弱体、攻撃弱体、筋力弱体、防御弱体、魔術弱体、速力弱体、回復弱体、精神弱体、命力弱体、魔力弱体、回避弱体、必中弱体、回避無効、攻撃反転、必外スキル」
「おい、こら、待つのじゃ、こんな魔術をかけられては、妾の攻撃は全て無効になるではないか。
いや、最後の2つ、攻撃反転、必外スキルなどデタラメ過ぎるではないか。
なによりさっきからベタベタと妾の身体を触りおって、何をしておるのじゃ!」
「ゴッドドラゴンともあろう者が、細かい事をネチネチと口にするな。
もう眼で見た範囲の異常は把握した。
声の感じからも大体の状態は理解している。
直接触ってほぼ確証は得ているが、最後に直接話を聞こう。
管理神と言う奴に誓約をさせられる前と今で身体の調子はどう違う。
どこが痛いとか違和感があるとか感覚が変わったとかあれば教えろ」
前世では人間だけでなく馬・牛・豚・羊・犬・猫に鍼灸の施術を行った事がある。
さすがに爬虫類に鍼灸の施術を行ったことはないが、この世界に生まれてからは、猟師としてコモドオオドラゴンに匹敵するトカゲやヘビを何度も狩って解体した。
だから体の構造も魔力回路の位置も経絡経穴に相当する流れも場所も分かる。
「え、いや、そんな事を急に聞かれてもじゃな」
「ゴッドドラゴン、四の五の言わずに正確に答えるのだ。
お前の問診が正確であればあるほど、管理神の誓約を解除できる確率が高くなる。
性根を据えてしっかりと返事をしろ」
「そんな事を言われても、1000年くらい前の事でよく覚えておらんのじゃ」
「自分の身体の事ではないか、分からないとは無責任すぎるぞ。
しかたがない、望診と聞診と切診だけで判断する。
秘術『九穴誓約解放』」
左右の親指と人差し指の付け根にある経穴、合谷。
前腕の陽側にある経穴、手三里。
頭の天辺にある経穴、百会。
後頭部にある経穴、脳戸。
後頭部の左右2カ所にある経穴、玉枕。
顔の左右頬骨の下にある経穴、顴膠。
前頭部正中線の髪の生え際にある経穴、神庭。
以上10の経穴を突いて誓約を解除させる。
だが単に指で突けばいいというわけではない。
最適な治療に必要な順番に、しかも適度な深さまで指で突く。
突いている時間も経穴によって違ってくる。
更に言えば、突いた後で流す魔力と命力もどれ1つ同じではない。
ゴッドドラゴンを強制的に従わせるだけの力を持った管理神。
その管理神の施した誓約を解除しなければいけないのだ。
簡単にできる事ではないと思ったのだが……
「キャアアアアア」
意外と簡単だったな、望診と聞診で確認できる範囲では、最初にあった魔力と命力の歪みと滞りが完璧に解消されている。
「そんな巨大な身体で女々しい声を出すな、別に痛くはなかっただろう」
「痛くはない、痛くはないが、とても変な感じだったのじゃ」
「管理神と言う奴の誓約から解放されたのだから、自由な感覚になったはずだ。
解放感こそあれ、嫌な感じなどないはずだぞ」
「いや、まあ、その、確かに晴れ晴れとした感じなのは確かじゃ」
「だったら、由緒正しき神龍の末裔らしいお礼を寄こせ」
「ふむ、もう人間を喰らいたいという欲求は全くない。
忌々しい管理神の誓約を解除してくれた者にお礼をするのは当然じゃな。
妾に何を望む、人間」
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