はじめての、しょくむしつもん!

味噌村 幸太郎

第1話 娘だけズルい!


 ついこの前の出来事です。

 保育園児の娘ちん6歳が、僕の母、つまりおばあちゃんと散歩していると……。


 パトロールしているお巡りさんを見つけました。

 じーっと眺める幼女。


「娘ちん? どうしたの?」

 おばあちゃんが尋ねました。

「ばぁば、お巡りさんに聞きたいことがあるの。いい?」

「ん? お仕事の邪魔じゃなければ、いいんじゃない。ばぁばと一緒に聞いてみよっか?」

「うん!」


 そして、お巡りさんに声をかける娘ちん。


「あ、あのぅ……」

「こんにちは、お嬢ちゃん。なにかな?」

「あのぅ、悪い人を捕まえる時はどうやって捕まえるんですか?」

「ハハハ。じゃあ、見せてあげよっか」


 優しいお巡りさんは、僕の娘の問いに、誠実に答えてくれたそうです。

 警棒や手錠、拳銃などをカバーみたいなやつで覆った状態で、一つ一つ説明してくれたらしく。


「こういうので捕まえるんだよ~」

「うわぁ! すごい!」

「わかったかなぁ?」

「はい、ありがとうございました!」


 満足した娘は、その後、興奮気味でおばあちゃんと帰宅したそうです。


 後に妻から、この話を聞いた僕は、「えぇ!?」とビックリしまいました。

「子供とはいえ、拳銃とか見せていいの?」

「いやいや、さすがにベルトからは抜いてないよ。注意して隙間から見せてもらったらしいよ。触ったりとかはしてないってば」


 僕は自分の娘とはいえ、激しく嫉妬を覚えました。


「じゃあさ、おっさんの僕が『拳銃見せてください!』って質問したら、見せてくれるのかな?」

 それを聞いた妻は、呆れます。

「いや、大人の味噌くんが聞いたら、不審者として、職務質問か公務執行妨害……最悪、逮捕じゃない?」

「ファッ!?」


 子供っていいなって、思いました。



  了

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はじめての、しょくむしつもん! 味噌村 幸太郎 @misomura-koutarou

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