美少女と本

 気遣いのできる素敵な奥さん。

 

 オレは、どうすればその素敵な奥さんに釣

 り合えるだろう。

 家事は、出来るだけ積極的に行っている。

 収入も安定している。

 あと…他に出来ることは、なんだろう?

 

 理央ちゃんが楽しそうにしてる時…。

 美味しいものを食べてる時、あとごっこ遊

 び、旅行の計画を立ててる時…とかかなぁ。

 和んでる時は、読書してる時…。

 

 あ、

「ねぇ、理央ちゃん」

「ん?何良夜くん」

「理央ちゃんってさ、よく本読んでるけどさ

 オレにもおすすめの本ってある?」

「あー、そうだなぁ。何系が好き?」

「うんとー、ミステリーとかエッセイとかか

 なー。」

「なら、いいのあるよ。はい、コレ」

 理央ちゃんから、二冊の本を渡された。

「ありがとう!早速読ませてもらうね」

「うん。私それ読み終わってるからゆっくり

 読んでね」

「はーい」

 

 うんうん。なかなか面白い。

 なるほどー。

 理央ちゃんこういう本読んでんのかー。

 

 オレは結構長いこと理央ちゃんと暮らして

 きたけど、全てを知っているわけじゃない。

 それに、人それぞれの価値観なんかもある。

 理央ちゃんに幸せになってもらえるように、

 まずは、理央ちゃんをどんどん知っていこ

 うと思った。

 

 そして数ヶ月後

 理央ちゃんから借りた本が映画化になると

 の情報を得た。

 なので早速二人で映画鑑賞。

 お互い同じ趣味があると意外と話も合うし、

 なかなかいいもんだ。

 

 映画の後、二人でゆっくり感想会なんかし

 たりする。

 

 理央ちゃんのおかげで本がどんどん好きに

 なっていった。

 よく二人で本屋さんにも行く。

 そして、読み終えるとお互い交換して読ん

 だりもする。

 

 読書しながらまったり中

「ねぇ、良夜くん」

「ん?」

「本屋さんっていいよね?」

「ん?働いてる人?」

「そう!だっていっつもいろんなお話に囲ま

 れて。しかも、最新の本がすぐ手に入るし

 さ。」

「あー、だね」

「うん。」

「本ってさー、オレあんまり読まないで過ご

 してきたけど、今思うとすごいよね。この

 大きさの中にびっしり文字が詰まってて、

 しかも、その話の中に自分が思いっきり入

 り込んじゃったりしてさ。」

「そうだよねー。私も特に恋愛の話なんかさ、

 自分が今そんな状況に置かれているかのよ

 うにドキドキハラハラしちゃったりして」

「わかるー、あ‼︎理央ちゃん本ごっこしよ」

「えっ、本屋さんごっこじゃなくて?」

「本。理央ちゃん本ね」

「本…、どうすれば…」

「わー、オレのお気に入りの本ここにあった

 のかー」

「えっ、もう始まってる…」

「いい表紙だなーぁ」

 クンクン

「はぁ、本の匂い好き」

 オレは理央ちゃんを抱きしめた。

 ムギュー。

「どれ、目次」

 ツツー。

 理央ちゃんの背中を指で文字をなぞる。

「ウキュ、くすぐったい…」

「あっ、本が喋った」

「は、はい。私しゃべる本です」

「へー、しゃべる本いいね!」

「はい。」

「なら、本さん。お話お願いします」

「コホン、この本は面白いお話です。では、

 最初の一ページ目をめくってみてください

 ね。」

 理央ちゃんは、よく重ね着をしている。

 だから、一番上の洋服をぺら

「どれどれ、一ページ目。うんうん。面白い

 本だ。ってかさー‼︎もうムリ…理央ちゃー

 ん」

 ぎゅ〜。

 ウキュ

「こらこら、そんなにはしゃぐと本が破れま

 すよ」

「はい!本さん」

「良いですか。読み終えたらきちんと本棚に

 しまうのですよ。」

「はい‼︎大事にしまいます」

 バサっ

 オレは、理央ちゃんをお姫様抱っこした。

「ウキャ〜…何ー⁇」

「本さんを大事なところにしまわなくては」

 ぽすん

 理央ちゃんをベッドに優しく下ろした。

「寝ながら本読みます」

 理央ちゃんの髪を紙に見立ててペラペラめ

 くる感じで。

 さわっ、さわっ

 フキュ

「く、くすぐったいよ…」

「この本可愛すぎるよ〜」

 ムギュ〜。

 チュー。

 

 こうしてイチャイチャするのでありました。

 

 続く。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る