美少女と花火

 理央ちゃんは、夏休み…

 

「夏休みにね、私…良夜くんと勝負がしたい

 ‼︎」

 だった。

 

「えっ勝負⁈」

「うん!」

「あのー…ちなみになんの勝負…⁇」

「それはね、線香花火でどっちが長くもつか

 って勝負」

「あー…なるほど。いいね!楽しそう。じゃ

 あさ、負けた人は勝った人の言う事を聞く

 とかどう?」

「わぁ〜、たのしそう!」

「うん、じゃあ決まりでいいね!」

「は〜い!」

 あーよかった。

 勝負っていうからなにかと思ったぜ…。

 もし勝ったらどうしよっかな〜ぁ。

 楽しみだなぁ〜。

 

 そして夏休み

 お互いバイトの時間すべて同じには出来な

 いけど休みを合わせる事は結構可能だった。

 だから休みの前の日なんかは、ビデオをみ

 たりゲームをしたりして楽しく過ごした。

 

「じゃあ、そろそろ寝よっか。」

「うん。じゃあさ、良夜くん」

「ん?どうしたの?」

「私が前に購入したお布団で寝てもいい?」

 布団…

 あー、布団ごっこの‼︎

 思い出した!

 

「いいよ〜。カモ〜ン」

 うひゅぃ〜

「良夜くん布団最高です。」

「ありがとうございます。お客様」

 きゅ〜ぅ

「良夜くん…耳元でささやくのだめ〜」

「理央ちゃんほんっと耳弱いよね。かわいい

 よ。」

 パクっ

 ウキャ〜…

「良夜くん布団刺激が強すぎてねむれません

 っ」

「じゃあ、寝かせませんっ」

 チュ〜。

 

 こうしてイチャイチャしながらの夏休みが

 始まったのでありました。

 

 夏はとにかく暑い…

 けど、二人で暮らしてると意外といいこと

 がある。

 バイトから帰るとさっきまで理央ちゃんが

 いた場合結構まだエアコンを消したばっか

 りで部屋が涼しかったりする。

 そして家事もできる方がやるから洗濯や洗

 いものもそんなにたまらない。

 

 しかも夜帰り、部屋の電気がついてるとな

 んだかほっとする。

 

 玄関先でいい匂いがした。

 あー、理央ちゃんカレー作ってくれてるの

 かなー。

 

「ただいまー、理央ちゃ〜ん」

「おかえりー、良夜くん」

 あ〜、理央ちゃんみるだけでほんっと癒さ

 れる〜。

 

 カレーを食べながら二人で明日の予定を計

 画した。

 明日は、二人とも休みだから近場の海で昼

 間遊んで夜に例の夏休み理央ちゃんがやり

 たかった線香花火ゲームをしようって事に

 なった。

 

 次の日とっても快晴の海日和だ。

「理央ちゃ〜ん。水着姿かわいいー」

「り、良夜くんも素敵…。」

 照れる理央ちゃんは、またかわいい〜

 

 たくさん遊んでお腹が空いたから焼きそば

 とかき氷を食べようってなり、買いに行く

 と、高校の時理央ちゃんを一時好きだった

 杉もっちゃんに会った。

 久しぶりの再開。

「おー‼︎杉もっちゃん‼︎」

「おー、何二人ともまだ付き合ってたんだ」

「うんっ」

 理央ちゃんの返事に杉もっちゃんは、

「やっぱり理央ちゃんかわいいなぁ」

 なんて言い出した。

「杉もっちゃん…」

「うそうそ、理央ちゃんかわいいけどオレ彼

 女いるから安心して」

 って杉もっちゃんは、笑った。

 ホッ。

「はい、かき氷大盛りにしといたから!お幸

 せに〜」

「ありがとう、杉もっちゃん‼︎」

 久々に杉もっちゃんに会って高校の頃の話

 に理央ちゃんと花が咲いた。

 そして日も暮れていざ例の勝負開始‼︎

 

 線香花火は、静かにパチパチと弾いた。

「きれいだねー。」

「うん。すごくきれいだよ」

 オレはあんまり花火に照らされた理央ちゃ

 んがきれいだったので思わず理央ちゃんに

 キスをした。

 チュ〜。

 んっ…。

 いきなりのキスに理央ちゃんがかわいい声

 をだすから思わずなが〜いキスをしてしま

 った。

 

 あ…

「ごめん、理央ちゃん」

「ううん。なんで謝るの?」

「だって花火終わっちゃってた。」

「あーっ、ホントだ。」

 クスクス。

 理央ちゃんは、可愛く笑った。

「もう一回やろっか」

「もう一回?どっちを?」

 うおーッ

 なんてかわいい質問! 

 天然小悪魔ちゃん。

 もう一回花火やり直そうっていうつもりだ

 ったけどオレは思わずまた理央ちゃんにキ

 スをした。

 

 チュ〜

 

 はぁ、すっかり癒されてしまったところで

 いざ勝負‼︎

 

 パチパチパチと静かに弾ける花火

 勝ったら、罰ゲームなにしよっかなー。

 楽しみだなー。

 ワクワクって思ってたら…

 ポトッ。

 …クッ

 あっけなくオレは負けてしまった。

 

「わー、私の勝ちだねっ」

「うん。じゃあ、理央ちゃん罰ゲーム決めて

 ください。」

「うん!」

 嬉しそうな理央ちゃん。

 罰ゲームは、なんだと思ったら、理央ちゃ

 んは…

 まさかの罰ゲームを提案してきたじゃない

 か…。

 

 り、理央ちゃん…。

 

 

 続く。

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