美少女に提案

 オレは理央ちゃんからのハグのおねだりで

 ピンと来た。

 理央ちゃんがなぜフリにこだわっていたの

 か。

 

 これは完全に両思いなはず。

 でも、本当の交際をしてしまうといずれ破

 局してしまうかもという恐怖からくるもの

 なんじゃないかって。

 だから、ずっとフリをお願いしてきたのだ

 ろう。

 しかしあと数ヶ月でこの生活も終わってし

 まう。

 そこで理央ちゃんは、ステップアップを試

 みたのだろう。

 

 あー、オレのバカ‼︎

 いっつも気づくのおせーよ…

 はぁ。

 

 あ…もしかして理央ちゃんの夢って。

 いや、それはないだろ…うん。うぬぼれす

 ぎだ。

 でも…

 もしかして…⁉︎

 はなよって言ってたのって…花嫁修行なん

 じゃね⁉︎

 なんて思った。

 

 よし‼︎オレも男だ!

 いつまでも理央ちゃんからおねだりされて

 気づくようじゃダメだ‼︎

 ビシッと行くぞ‼︎

 

 理央ちゃんからのハグのおねだりから

 数日後

 コンコン。

 オレは理央ちゃんの部屋にお邪魔した。

 

「理央ちゃん。」

「はい。」

 理央ちゃんをじっと見つめてこう伝えた。

「大学卒業したらオレと結婚してください」

 と。

 そしてそんなに高価じゃないけど指輪を差

 し出した。

 すると、

「うッ…うんッ。うれしぃ〜。ありがとう」

 って言いながら理央ちゃんは涙を流しなが

 らオレの気持ちに応えてくれた。

 指輪をはめた後理央ちゃんに、

「大好きだよ」って言って甘〜いキスをした。

 すると理央ちゃんも

「私も大好き」

 って甘〜いキスをしてくれた。

 やっぱり両思いだった。

 

 頑張って勉強して大学入って理央ちゃんを

 幸せにしなきゃ。

 そしたら、もっといい指輪プレゼントした

 いな。

 

 あ〜、学年一の美少女がこんなにもオレに

 デレてくれてオレは本当に幸せものっす。

 

 それから数ヶ月後無事大学に合格した。

 

「理央ちゃん。提案があります‼︎」

「え、何⁉︎」

 いつもは、理央ちゃんから提案してきた。

 でも、最近はオレが先に気付いてあげれる

 ようになってきた。

「高校卒業したら同棲しない?」

「うん‼︎する‼︎」

 オレに飛びついてくる理央ちゃん。

 理央ちゃんは、ほんっとかわいい。

 目には見えないけどしっぽをブンブン振っ

 ているんじゃないかってくらいだ。

 

 お互いの両親に同棲の許可をもらいに行っ

 た。

 …なんかどっちの親もオレたちのこと薄々

 気付いてたっぽいな。

 よく一緒にデートしたりしてたもんな。

 ま、いっか!

 

 そして無事卒業。

 で、新しい新居が決まった。

 理央ちゃんは、栄養教諭を目指しているか

 らオレとは別の大学だけどお互いの大学の

 中間のところに新居を構えた。

 

 とにかく引っ越しや新しい大学でお互いに

 バタバタしていたけどとりあえず落ち着い

 てきた。

 バイトは、アパートの近くであまり夜遅く

 ならないようなところでそれぞれ働いてい

 る。

 

 今日は、二人とも休みだ。

「今日は、二人でゆっくり過ごせるね」

 オレの言葉に理央ちゃん。

「うん‼︎二人きりだした〜くさんイチャイチ

 ャしても安心だねっ」

 なんてにっこりした。

「あっ、うん」

 ま、二人きりじゃなくてもイチャイチャし

 まくってたけど誰か来たらって心配は、な

 いな。

「じゃ、早速あ〜ん」

 えっ、朝ごはん食べさせてくれるの?

 ならば、

「あ〜ん。うん!美味しい」

「じゃあ、理央ちゃんもあ〜んして」

「あ〜ん」

 パクッ

「おいし〜。」

 なんてやりながら朝ごはんをいただいた。

 そして二人でお片付け。

 オレは、洗剤で洗う人。

 理央ちゃんは、すすぎの人。

 茶碗を洗ってたら理央ちゃんが、

「デザート忘れてたー」って言ってオレの耳

 をパクリってした。

 んをーッ‼︎

 や、やばいっしょ…。

 そんな事…そんな事ありですかー‼︎

 ならば、オレもデザートを。

 

 両手が泡だらけだったから、理央ちゃんに

「オレもデザート」っていいながら、理央ち

 ゃんにちゅーの催促をしてみた。

 すると理央ちゃんがオレにチュ〜ってして

 くれた。

 はぁ〜。

 最高っす!

 

 そんな事をしながら一日を過ごしてお風呂。

 

 ⁉︎   ⁉︎   ⁉︎

 

 り、理央ちゃん。

 お風呂上がりの理央ちゃんは、真っ白な白

 猫になっていた。

 犬バージョンは、よくみるけと猫バージョ

 ンも持ってたのか。

「かわいいじゃん!猫バージョンも似合って

 るよー‼︎待ち受けにしたいくらい‼︎」

「あっ、そういえば良夜くんの待ち受けみた

 事ないかも」

 ウッ…

 それは困る…

 だってオレの待ち受けは、理央ちゃんなん

 だ…

「あっ、理央ちゃんの待ち受けは?」

「えっ…あのー。私のは…」

 ん?

 なんか様子がヘン⁇

「お互いせーので見せ合わない?」

「う、うん。わかった」

「「せーの」」

 おっ…

 理央ちゃんの待ち受けがまさかのオレの幼

 い頃の写真だった。

 どうやら理央ちゃん母さんに頼んで写真を

 見せてもらってたみたいだ。

 

「良夜くん、いつのまにこんな写真」

「あー、ごめん」

「ううん。いいよ!」

 こうして少しずつお互いを知っていくので

 ありました。

 

 

 続く。

 

 

 

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