美少女と遊園地

「どれ乗りたい?」

「えっ、あの…遊園地ってあんまり来ないか

 ら…」

「じゃあさ、まずはゆるめの乗ろっか?」

「うん!」

 こうして二人で楽しく乗り物を堪能した。

 

 お昼になりしばし合流、

 …やっぱり手繋いでる。

 ま、カップルなんだしそうなりますよね。

 理央ちゃんのお友達カップルは、とにかく

 びっくり屋敷が楽しかったと言う事で二人

 も行きなよとごり押ししてきた。

 びっくり屋敷の前まで来ると理央ちゃん…

 顔がこわばりだした。

「怖い系ダメそう?」

「うん…かなり無理なんだけど…でも、良夜

 くんと手繋げるチャンスかも。でも…でも

 さ、夜中思い出したら寝れない…良夜くん

 一緒に寝てくれるかな…腕枕もオプション

 でついたりしないかな…でも、やっぱり…

 怖い。入りたくない…怖い…」

 理央ちゃん…

 心の声ダダ漏れしすぎてるよ。

 一緒に寝ていいの⁈

 オレはいいけど、ご両親が許さないだろう

 よ。

「理央ちゃん。」

「えっ、あっうん?」

 我にかえる理央ちゃん。

「これじゃなくてあっち乗ろっか」

 どさくさに紛れて理央ちゃんの手を繋いだ。

 

 それからずっと手は、繋いだまんま。

 最後に観覧車に乗った。

「理央ちゃん。どさくさに紛れて手繋いでご

 めん。」

「ううん。嬉しかった」

 嬉しかった⁉︎

 なら、いいか…。ン?いいんだろうか…

 

「あのさ、理央ちゃんそろそろクラスの友達

 と慣れたしもう恋人のフリしなくても大丈

 夫じゃない?」

 理央ちゃんがパッとこっちをみた。

「えっ、私のことやっぱり嫌いだった?いつ

 も無理してた?」

「無理なんてしてないし、嫌いじゃないよ。

 でも、オレなんかと恋人のフリしてたら理

 央ちゃん新しい本当の恋できないじゃん」

「新しい本当の恋?」

「うん」

「それって…やっぱり良夜くん、わたしから

 離れたいって事?やっぱり私悪魔なの⁉︎」

 ⁈やっぱり悪魔ってなんだ⁇

「悪魔って何⁇」

「私、学校で誰かが話してるの聞いたの。瀬

 野って最近いやらしい悪魔だって。」

 プッ

 あははは

 やばい…ツボった。

「それ…ちがっ、違うよ!癒し系小悪魔」

「えっ⁈癒し系小悪魔⁉︎私が⁉︎」

「うん。そうだよ!理央ちゃんかなりモテる

 よ。」

「私がモテる…?でも、よかった。私いつも

 今まで一人だったでしょ。悪魔だと思われ

 ててだれも話しかけて来なかったのかなと

 か思ってて…で、良夜くんのおかげで急に

 友達できて笑ったり話すようになったじゃ

 ない。だから…」

 だから、こんな私ってよく言ってたのか。

「大丈夫だよ。自信持ちな!」

「う…うん。でも、でもね…。私良夜くんと

 恋人のフリやめたくない…。ダメかな?」

 えっ、いいのか?

 でも、理央ちゃん目がウルウルしてるじゃ

 ねーか⁉︎

 理央ちゃんが望んでんだからそれでいい‼︎

 むしろオレは大賛成だ。

 ならば、理央ちゃん‼︎ありがたく続行させ

 ていただきます‼︎

 

「理央ちゃん。なら、再確認ね!オレたちは、

 恋人のフリ続行。でも、好きな人できたら

 いつでも解除していいんだからね。ハグと

 かも嫌なら全然言ってくれていいから。」

「いやじゃない。むしろもっと…あの…」

 えっ⁉︎

 もっと⁉︎

 もっといいんすか⁉︎

 オレ…おねだりされてる⁉︎

 美少女におねだりされまくりじゃん。

「んもー、理央ちゃん。可愛すぎ」

 ぎゅー。

 観覧車が最上位にきたあたりでオレたちは、

 ハグをした。

 

 帰り道。

「理央ちゃんたち観覧車のジンクス知ってた

 んだね」って言われた。

 ⁉︎ジンクス⁈

「「何それ⁇」」

 二人の声が重なった。

「えっ、知らないで抱き合ってたの⁈」

 …あー、見られてたんすね。

「どう言う事?」

 理央ちゃんの質問にお友達、

「観覧車の最上位のところで抱き合ったカッ

 プルは、永遠に幸せになれるって」

「えっ、そうなんだ。そんなジンクスが」

 顔を赤くする理央ちゃん。

 …理央ちゃんってさ、もしかして…オレの

 事…

 まさかなー。

 でも、なんか…

 いやいや、まさかなー。

 

 よくわからないままダブルデートは、無事

 終了した。

 

 …あの学年一のクール美少女は、ただの人

 見知り癒し系天然小悪魔だった。

 いや、むしろ天然のピュア天使なのかもし

 れない。

 あー…もう最高っす‼︎

 マジかわいいよなぁ。

 しかもおねだりとかしてくるんだぞ⁈

 入学したての頃なんてすれ違うだけで幸せ

 だったのに、それが今じゃ隣の部屋にいる。

 なんならハグを何回したかわからないくら

 いだ。

 

 しかしなんで理央ちゃんは、オレに彼氏の

 フリの続行をおねだりしたのだろう…。

 ただわかったことが一つある。

 理央ちゃんは、イチャイチャが好きなんだ

 ということだ。

 なので今度の休みにオレからデートに誘っ

 てみようと思う。

 

 続く。

 

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