美少女お腹が寒くなる
なんちゃって交際から数週間後
朝、理央ちゃんがお母さんと話をしていた。
今夜お母さん遅くなるからカレー作りよろ
しくねって。
お母さん遅くなるのか。
休み時間
理央ちゃんのクラスに行ってみた。
理央ちゃんは、すっかりクラスに馴染んで
楽しそうにしていた…。
ン?
険しい顔の理央ちゃん。
どうした⁉︎
何してる⁉︎
「理央ちゃん、何してるの?汚いよ⁉︎」
お友達の言葉に、
「えっ、汚い⁉︎なんか蓋が開かなくて」
「蓋空いてんじゃん。理央ちゃん本当天然ー
キャハハ」
「あーっ、ホント〜。キャハハ」
おいおい…理央ちゃん…。
ってか、そんな理央ちゃんみて男子たちが
ほっこりしてんじゃん。
もー、癒し系小悪魔!
なんてヤキモキしていたら、
「あっ、理央ちゃんダーリンきてるよ〜ん」
って一人の友達が気を利かせて言ってくれ
た。
すると、目をキラキラ輝かせながら嬉しそ
うにこっちにやってきた。
ワンコかよ〜。
かわいいなぁ〜。
「どうしたの?」
「あのさ、今夜お母さん遅いんだよね?一緒
にカレーの材料買い出し付き合うよ」
「え〜。ありがとー。なら帰り待ち合わせし
よ」
「うん。」
「でさ、良夜くんカレー甘口派?辛口派?」
「うーん。辛口派」
「私も辛口好きー」
「だよなー。やっぱ辛いのがいいよなー。」
「うん!ってか、カレー自体が基本好きー」
「オレも好きー。」
「えっ、何を⁈」
ン?
「カレーを…好き」
「もう一回いい?カレーを何?」
「好き」
うきゅっ。
えっ、今理央ちゃんうきゅって言った?
しかも照れてない?
どうした⁉︎
なんて思っていたら…
クラスの男子たちからの冷たい視線…。
イチャイチャしてると思われた⁉︎
好き好き言ってたから。
でも、カレーの話なんだけどな…。
ま、こんなかわいい子と話せるだけでもき
っと羨ましいんだろうな。
そもそも理央ちゃん、男子と基本話さなか
ったんだもんな。
それが、急にオレなんかと好き好き言って
んだもんな…。
そうっすよね。
ハハ…。
お邪魔しましたー。
心の中で謝り理央ちゃんのクラスを後にし
た。
放課後
二人でおつかい。
付き合ってるフリとはいえ、一緒に住んで
るのは、本当だしなんか不思議な感じだな
ぁ。
家に帰ると、シーン。
当たり前だけど二人きり。
「ねぇ、良夜くん。」
「どうしたの?」
「あのね…、少し寒いなぁ。」
「えっ、風邪ひいた⁉︎エアコンつけるからあ
ったかくして寝てな。オレカレー作るし」
「…そうじゃなくて…、お腹が寒いって言っ
てるの。」
お腹⁉︎腹巻探してきてって事か⁇
お腹空いた⁉︎
お腹が寒いってなんだ⁉︎
わかんねー…。
一瞬にしていろんなことが頭をよぎった…
するとスッと両手を出す理央ちゃん。
おっ…。
このポーズは、以前にもみた。
ハグのおねだりポーズ⁉︎
ハグしていいんすか⁉︎
いかんいかん。またハグのおあずけをくら
わしてしまった。
すかさず
ムギュ〜。っと理央ちゃんに抱きついた。
すると理央ちゃんも細いからだでオレにし
がみついた。
かわぇ〜。
ってか、なんなんだ⁇
これは…。
ハグのおねだりしてくるって事は、こっち
からたまにハグしてあげた方がいいのかな。
女の子からおねだりもかわいいけど、たま
にこっちからも今度ハグしてみようかな。
しばらくくっついていると、
「ありがとう。お腹ホカホカになったよ。」
ってにっこり微笑んた。
少し目がとろ〜んとした理央ちゃん。
かわいい‼︎
「オレは、まだお腹寒いっていうから今度は
オレもあっためて。」
ムギュ〜。
理央ちゃんを抱きしめた。
…後でハグしてみようって思ったのに、す
ぐさましてしまった…。
でも、仕方ない。
だってかわいいんっすよ〜。
お腹があったまったので二人でカレー作り
を開始した。
「うん!ばっちり!」
「よし!じゃあ、片付けとくから理央ちゃん
お風呂入っておいでよ。」
「ありがとう。じゃ入ってくるね!」
「はーい。」
うわ…。
新婚さんみたい。
ってか、オレたち付き合ってるフリなんだ
よな⁉︎
なんか、本当の恋人みたいな錯覚に陥って
るぞ。オレ…。
そんな喜びの錯覚から数日後…
オレたちは、やっぱり付き合ってるフリで
しかないんだと改めて実感するのである。
学校で学年一のモテ男くんがどうやら付き
合っていた彼女と別れたらしい。
そのモテ男くん実は理央ちゃんの事が好き
だったらしい。
でも、猛アタックしたものの全く相手にさ
れず、諦めて他の女性と交際していたのだ
と。
しかし、最近の理央ちゃんは変わった。
もしかして次こそ落とせるとモテ男くんは、
思ったのだろう。
続く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます