(4)
葬式から自分の家までどのように帰ったかわからない。
コンビニで買って来た弁当をレンジで温めもせずに食べる。
今は冬の寒い時期。何なら雪も降っている。
しかもクリスマスの日。恋人が行き交う繁華街を縫って
人気のない路地に入っていくと僕の家がある。
繁華街は嫌いじゃないんだ。でも今はどうにもわずらわしい。
窓を見ると心身と降っていて冷たそう。
僕の部屋には暖房がない。床暖もない。一枚の毛布だけが
僕を包んでくれる唯一のものだった。
温かい飲み物を作ろうと立ち上がった時、自分の持っていた
マグカップが床に落ちて割れてしまった。
ため息をつきながら割れた破片をかたそうとした時。
ドアから小さな鳴き声がしたような気がした。
葬式といい、僕はどうかなってしまったんじゃないかと思ったけど、
案外そうでもないらしい。
恐る恐るドアを開けてみると...
...............................................エ。
猫がいる。
........なんでネコがいるんだ?
しかも何でドアの目の前で座っているんだ.....?
こんなにおとなしい猫なんているんだろうか?
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