第3話 出会い

そして初めての実習の日が来た。 

私は転入試験が5教科すべて満点だったことからAグループに入ることになった。

周りはざわざわしとしていた。

そんなにすごいことなのかな?

そのAグループには美男3人組がいた。

1人目は鷹嶺真。チョコ細工を作ってるからチョコ系が得意なのかな?

2人目は西園寺 司。アメ細工でバラをつくってる!?すごい! 

3人目は木村 界人。練りきりをつくってるってことは和菓子系かな?

こんなにクオリティーも高く、そしてイケメン…私大丈夫かな。


2年生ともなりだいぶ遅れると思い、私は学校に通うまでの間、ひたすらスイーツを作り始めた。ある程度はうまくできたと思う。私は焼き菓子が得意だと気がついた。


実習入り課題はマドレーヌ。

作ったこともあったし、一番の自信作でもあった。

でも普通のマドレーヌじゃつまらない。悩んでいても仕方ないと思い、直感で材料を選び始めた。紅茶、チョコ、抹茶。いつの間にか3種類とっていて作っていた。出来上がり試食してみると美味しかったけど特別美味しいとは感じなかった。特にチョコは舌触りが最悪だった。焼き加減はちゃんとオーブン付きっきりで見たし…やはり中のが…

そんな風に考えてた際講師の先生が来て、「あら?3種類も作ったのね。1つずついただいてもいいかしら」といってきた。評価するには食べなくちゃわからないけど…

私は渋々マドレーヌを差し出した。「…美味しいけど…少し物足りないわね」

そうですよね… そう思いながら使ったものを片付けようとした時…

美男3人組が来て私の作ったマドレーヌを食べた。

やはり美味しくなかったのか、ある1人鷹嶺さんが口を開いて言った。

「家庭用としてはいいが、パティシエ目指してるやつがこの程度だったなんてなめられちゃ困るぜ」

自分でもわかってたけど、そこまでいわなくても…私は怒りをぐっと堪えて、

「指摘してくれてありがとうございます。もう一度作ってみます」

1度や2度作っただけでは美味しくなるとは思えないけど、この人にはぎゃふんと言わせたいため再度作ることにした。

舌触りが悪いってことは温度によって水蒸気が入ったとかかな?そういえば沸騰した鍋に直接湯煎してたから、それがよくなかったのかも…あとは口どけをまろやかにするにはテンパニング…さすがに今の私にはできないから…温度調節を気にかけよう。

出来上がり早速食べてみるさっきよりは舌触りがよくなったし食べやすくはなったけど、やっぱり何かが足りない。

そう思いながら考えているときに鷹嶺くんは完成したマドレーヌを食べた。

表情から様子を伺えない…やっぱり美味しくないよね…

また怒られるんだろうな…

(…2回で言われてここまでできるとは…でもしっとりさが足りない…)

ぶつぶつ言いながらふと1拍を置いてから話し始めた。

「びしびしいくからそのつもりで…」

想像した言葉ではなくビックリしたけど少しは認めたくれたんだよね??

「ありがとうございます!よろしくお願いします」と私は言った。


                                   3話終わり

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