第2話

あんなのが直撃したら生きてはいられなかったぞ。



そう思い、ブルリと震える。



「揺れ、止まったね」



綾が震える声でそう言った。



「ん、あぁ。そういえばそうだな」



ひとまずは安心か。



そう思い、ソファから抜け出す。



周囲を見回すと他の生徒たちは青ざめた顔で、落下してきたシャンデリアを呆然と見つめている。



幸いにも、誰も怪我はしていないようだ。



「なにが起こってるの? なんで先生たちはいないの?」



ミヅキと同じ3組の松本小恋(マツモト ココ)がボロボロと涙を流しながら言った。



でも、それに答えれる生徒なんてどこにもいない。



みんな、なにがどうなっているのかわからない状態だ。



「とにかく、上に出てみないか?」



比較的冷静な文夫がそう提案した。



上、というのはプールなどが設置されているデッキを指す。



「そうだな」



俺は頷き、綾の手を握って文夫の後に続いたのだった。

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