第2話家に帰って

テンションが高いまま家に帰ったことにより家族からの追及はあったが無事に切り抜け風呂に入り部屋のベッドに寝ころんでいた。いま俺は清水さんとのトークを開いて唸っている。


「付き合い始めたんだし何か送ったほうがいいよなぁ」


バイトの連絡の関係上連絡先は持っているが、なんと送ろうかと思案していた


「ありがとうはなんか違うし突然好きだよはやばいよなぁ」


なにも言葉が思いつかず逡巡していると、ポンッとトークが更新される音がした。

スマホを見ると、


『これからよろしくお願いしますせんぱい!』

『えっとそれともし今週の日曜日予定が空いてるならお出かけしませんか?』


と送られてきているのを見て俺は、びっくりしてスマホを手から滑らせつかみ損ねたために床に落としてしまう。これってもしなくてもデートのお誘いだよな...と思うも、トークを開いたままだということを思い出し慌ててスマホを開き、画面を見ると、


『好きだよ』

『え?』


打ったままにしていた文字を間違えて送信してしまっていた。


『えっとこれは、間違えただけでわざとじゃなくて』

『じゃあ好きじゃないんですか?ルウル(இдஇ`。)』

『もちろん好きだよそうじゃなくて送ったのが間違えで言うつもりはなかったていうか』


慌てて弁解しようとするがうまく言葉が出てこない。なんと言えば良いかすでに今年最大の冷や汗をかきながら考えているとポコッという音が聞こえてきた。


『ふふっわかってますよからかっただけですから』

『なんだ、よかったほんとに焦ったよ。あ、それと日曜日の件だけどもちろんおっけーだよ。行きたいところとかある?ないなら考えるけど』


ほんとに焦ったため少し抗議をしながら最初のデートのお誘いに答える。もちろんオッケーだ。本当に何の予定もなかったが清水さんに誘われたとあればたとえどんな用事があっても行くといっただろう。


『やった!それじゃあデパートで買い物したいです。』

『いいね!俺も夏物の服とか見たかったし。』

『じゃあ決まりですね!』


その後もお出かけの予定を詰めていき、ある程度予定が纏まり現実味を帯びてきたことで楽しみになってきた。


『じゃあ10時に駅前集合にしましょう!』

『了解それじゃあ初デートたのしみにしてるね!』


からかわれたお返しにあえて今までお出かけと言っていたのを初デートという言葉に変えて返信すると今までほぼノータイムで来ていた返信がパタリと止んだ。送信から1分、2分と経つ度に後悔の念がじわじわと湧いてくる。


『ごめん!さっきからかわれたからやり返そうと思って...嫌だったよね。』


怒らせてしまったかもしれないと思い急いで謝罪の言葉を送る。嫌われたらどうしようと不安に思っていると。


『嫌なんかじゃないです。ただデートだって思うと恥ずかしくて固まってました(笑)』


今度は直ぐに返信が来た。どうやら嫌だった訳ではないらしく安堵する。


『よかったぁ嫌われちゃったかと思って焦ったよ』

『そんなことで嫌いませんよ!あぁもう寝る時間になっちゃいました。ほんとはまだお話ししてたいですけど、明日起きれなくなっちゃうので...』


時計を見ると現在は11時半確かに寝るにはちょうどいい時間だ。


『そっかじゃあまたバイトでねおやすみ!』


おやすみと送ってから既読はついたが返信が来なかった。寝落ちしたのだろうか。

寝る時間だったのだから眠かったのだろうと思い俺も寝ようとしたとき清水さんからのメッセージが届いた。


「これは...音声メッセージ?」


スマホを見ると短い音声が送られてきていた。追記はないが送ったということは聞いてほしいということだろうと再生してみる。


『私も好きですよ...せんぱい......っっおやすみなさい‼』

「ふぁっ⁉」


あまりにも予想外でその上最高な声だったため変な声が出てしまった。

そして本人も恥ずかしかったのだろう耐えきれなくなって言ったおやすみまでもが

可愛すぎて心臓がバクバクと鼓動を速めている。


「寝れねぇじゃねぇかぁぁぁぁぁぁx」


案の定次の日は寝不足になった。

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