最終話 雷雲
有美と一夜を明かした宙は有美が落ち着いたのを機に有美の部屋から警察へ電話をし自首をした。
宙は警察へ連行され、3日間の拘留中に事情聴取を受け、1週間後、裁判所にて裁判が開かれた。
裁判所には有美も証人として呼ばれ、その日、あった事を全て話した。
その結果、警察の調べにより、被害者となった男(宙が殺害してしまった男)には他にも強姦等の余罪があり、有美の証言に信憑性があるものとなった。
その結果、宙は5年の刑期を言い渡され、刑務所へと送られた。
その為、妻の明美とは離婚をし、財産は全て子供と妻へと渡した。
会社は当然、クビになった。
有美はとゆうと、母の葬儀を深い付き合いのある親戚一同だけで小さく済ませ、遺品整理に追われた。
遺品整理を行う上で母が経営をしていた薬局と、家は売り払い、小さなアパートへと引っ越し、残りを貯金にまわした。
その間、宙の面会にも行き、二人の関係は続いていた。
・・・そして、5年後
宙は刑期を終え、出所した。
出所後は、有美の提案で有美のアパートで一緒に暮らす事になり、警察から紹介をされた職場で働く事になり1年後、二人は結婚をした。そして、子供も産まれ新たな新居へと移り幸せを摑んだ。
宙と離婚をした明美は子供の事を考え、再婚はせず、仕事と子育てをしながら自分のやりたい事をやっていきながら恋愛もしたが、長続きはせずの暮らしを送っていた。
トラウマだった真っ黒な雷雲は、不気味であり、怖くもあったが、その中身は雷光の美しさや儚さも兼ね備えている不思議な雲であった。
そして、最後には虹と青空を残し、新しい季節の訪れを知らせてくれる自然な存在になっていた。
雷雲 Mint @misty-1
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