第6話 晴れのち曇り

次の日(10月1日土曜日)、子供達を見送り、妻の仁科明美にトラウマを話した宙は何だか晴れ晴れした気分になれた。


しかし、明美は嘘をつかれていた気持ちと心配をかけないようにとの配慮なのかな?とゆう気持ちとで、複雑な気持ちになった。


そして別の日(10月14日(土曜日))、仁科家はキャンプに出掛けた。

明美がネットで調べていたのは新しく出来た、キャンプ場だった。


そこは子供達が遊べる遊具も少し歩いた場所にあり、テントを張る場所と魚釣りを楽しめる川がある所だった。


その夜、宙は久しぶりに満天の星空を見上げながら眠りについた。


そうして、晴れ晴れとした気持ちに戻り、それからは仕事も普通にこなせるようになった。


それは、不思議な女の出現から1ヶ月目(11月15日月曜日)の事だった。


宙は、また残業になった。

しかし、次は歩かず妻の言う事を聞いてタクシーを使った。

そして、タクシーから見える景色から、あの女が見えた。


運転手さん、ちょっと止めてください。


宙は思わず、タクシーを止めてしまった。


女の前でタクシーが止まると女は振り向いた。


あの?急にすいません。

1ヶ月前くらいに、あの居酒屋に行きませんでした?

・・・しまった!つい、勢いで・・・


女は驚いた様子で、答えた。


あ、あそこなら良く利用していますけど?何か?


いや、何と言うか。それ、白衣を着ながらが珍しくて。つい、覚えていたので。


あー、これですか?借り物なんです。


借り物?


あ、良かったら、あそこで座りませんか?


女は、近くにあった公園のベンチを指さして二人は自動販売機でコーヒーを買って座った。


そして、二人は会話をし、女の実家は居酒屋の隣にある薬局であり、その日は実家を手伝うのに白衣を借りて使用していた事と白衣は女の母の物だと分かった。


宙は何となく分かってきた。

その女は、夢に出てきたおばさんに似ているのだと。


その後はお互いに名前を言い、薬局には、いつか寄るとゆう約束をして帰った。

そこから女の名前は日高 有美だと分かった。


遠くの空にあった曇が段々と頭上に近づいてきた。







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