第13話 ジョゼフィーヌ パリ近郊の屋敷にて

パリ近郊 まだ二十歳前後の若い元ボアルネ子爵夫人  

それがジョゼフィーヌ

彼女は二人の幼い子供を連れて 最初の頃は友達の裕福だが身分の低い貴族の妻

彼女の世話になっていた


「ローズ(ジョゼフィーヌの別名)

あの美しい島では大変お世話になったわ 不自由して大変だったわね 可哀そうに」ジョゼフィーヌより少々、年上の貴婦人は心配そうに労りの言葉を重ねる


「有難うございます 御迷惑をおかけしますわ

子供達もまだ 幼くって、離婚した夫からの養育費が間もなく来ますから

それに島の家族からも‥」微笑むジョゼフィーヌ


「ほほっ、まったく私は余裕があるの 何時か何かの時は‥ね

子供達の為に必要なもの 乳母にお洋服に小物に 手配は任せて

それにパリ社交界の殿方からの恋文も‥新しいドレスに髪飾り、靴も必要ね」


「そうそう、とある後期な貴婦人が貴方に興味があるようね

素敵な話が聞けるかも?」


「え?」ジョゼフィーヌ 

「前の国王様の公認された愛妾‥ふふっ 気さくな方よ」


「それから‥ロアン枢機卿さまにヴァロワ伯爵夫人、ラ・モット伯爵に

今度お会いする予定があるの 一緒にどうかしら?」



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