[最後の夏編] ヤンデレ義妹と危険な夜 後編
歩花の可愛いところがまた沢山見れた。
俺は海の上で果てていた。
「気持ちよかった? お兄ちゃん」
「ああ……歩花。最高だったよ」
なんて手の、指の使い方だ。近頃は上達しすぎだろう。それと、すっごく愛を感じた。こんなに幸せばかりもらえて俺は泣きそうになった。
「戻ろっか」
「そうだな」
海から浜へ戻った。
すると突然、女性から声を掛けられた。
「あれ~、そこにいるの回くんじゃない!?」
「え……む? 安曇野!」
そこには長野で会った安曇野がいた。元同級生の女子。以前、長野観光ではかなりお世話になった。
あれからも変わらないな。
……いや、そうでもないな。
水着、ビキニで大胆だなぁ……すげえ胸。
イカン。俺の下半身がモーレツに反応を初めている。お、抑えきれん!
「ちょ、回くん。ジロジロ見すぎだよ……恥ずかしいって」
「す、すまん。安曇野。まさか江の島に来ているとは」
「まったくの偶然だよ。まあ、ウチはほら長野で海がないからさ~。たまに恋しくなるんだよね」
「そういうことね」
いやしかし、胸元すごいな。安曇野ってこんなに巨乳だったんだな。脱げば凄いタイプってヤツか。
体もスラッとしていてモデル体型。こりゃ、俺含め男はたまらんな。
「…………(殺意)」
歩花の視線を感じ、俺は震えた。
う、浮気と見なされてる!?
ヤバいな、久しぶりにゾクッとした。
これ以上はメッタ刺しにされかねん。
「安曇野、久しぶりだし少し遊ぶか?」
「いいね! 歩花も久しぶり」
安曇野は、歩花の手を握って挨拶を交わす。
「あ、安曇野さん。お久しぶりです……」
「てか、歩花ちゃん可愛すぎでしょ……。なんでこんなアイドルみたいなコが回くんの妹なのかしら……不思議ね」
義理の妹だけどな。おかげで結婚できるので俺としてはありがたい関係である。
「安曇野こそ、彼氏のひとりやふたりいるだろ」
「ふたりはないでしょ。いや~、残念だけど彼氏なんていないわー。回くんになってほしいわー」
わざとらしく辛そうな表情をする安曇野。……マジかよ。こんな美人に彼氏がいないって、世の中分からんものだな。
などと思っていると歩花から明確な殺意を感じた。
なんでー!?
そこまでデレデレしていないんだけどなぁ。
「…………(お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん)」
うわッ!
なんか俺を凄い見てる。目が死んでるぞ、歩花。いかんいかん、マジで殺されるッ!
「あ、安曇野。悪い、ちょっと歩花の体調が優れないみたいだ」
「え! ごめん。立ち話、長すぎたかな」
「いや、ちょっと貧血なだけだ。俺が見るんで後で合流しよう」
「分かった。歩花ちゃん、またね」
安曇野は去っていった。直後、イケメンからナンパされていた。あれで……彼氏がいない? ウソだろ?
だけど断っていた。なるほど、今は恋愛する気はないらしいな。
「……おにーちゃん……」
「んぉ!? 歩花、顔が怖いって……」
「許さない。他の女の子にデレデレしないで……。鼻の下のばさないで……。歩花だけ見て。歩花だけを愛するの! お兄ちゃん、わたしがこんなに愛してるのに、愛してるのに、愛してるのに……!!」
「分かった分かった!」
俺は歩花を抱きしめた。
これで許してくれるかな?(チラッ)
「えっへへー♪」
「…………ふぅ!(危ねェ)」
セ~~~~~~~~~~フ!!!
「やっぱり、お兄ちゃんは歩花のことが大好きなんだよね!」
「あたりまえだ。世界一、愛しているぞ」
「うんうん。浮気したら殺すからね!」
「あ、ああ…………」
笑顔で殺すはヤメテ(泣)
◆
夜になり、最後の夏をトヨダの『ロビンソン』で過ごすことに。あまりに快適で料理する気もなく、ベッドで転がっていた俺。
……って、なんか忘れているような。
まて。
安曇野ことを忘れてた――――――!!!
あとで謝罪の連絡しておくか……。
嫌われてないといいが(泣)
「どうしたの、お兄ちゃん」
「あ、いや……きっと大丈夫」
「ん~? ところでご飯できたよー。やっぱりIHって便利だよね」
今晩は歩花がご飯を作ってくれた。おぉ、やっぱりカレーだよなぁ。
簡単なレトルトカレー。だが、野菜たっぷりタイプ。良い匂い。これは食欲がそそられるなぁ。
「料理が上手くなったな、歩花」
「お兄ちゃんと幸せにする為に、わたしは日々進化しているんだよ~」
「そうか、偉いぞ」
美味しい晩御飯をいただき――夜も更けた。
深夜になれば歩花が再び俺を求めてくる。俺もまた歩花を求める。
――車中泊ってサイコー!!
【完】
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