[最後の夏編] 義妹と江の島へ 前編

 目の前で水着に包まれる白い肌が弾け飛んでいた。

 それは歩花の豊満すぎる胸であった。


「お兄ちゃん、気持ちいね~!」


 俺は砂浜に寝そべり、そんな歩花の大胆すぎる水着姿に見惚れていた。なんて刺激的なビキニなんだ……。


 季節は八月最後の日……の前。

 あの長い旅を終え、そこそこ久しぶりの遠征である。

 歩花の要望で『江の島』に来た。

 地元の相模原から片道一時間ちょいで行けるし、冬になる前にいっちょ泳いでおこうと遊びに行くことにした。

 真夏のせいか、まだまだ暑い。

 この期間のうちに歩花の水着をおがんでおきたいと思った。

 だから、俺は久しぶりに軽キャンピングカーのインディではなく――椎名先輩からトヨダの『ロビンソン』をレンタルした。

 七人まで乗車・就寝可能な広い空間。

 生活空間と装備もかなり充実している。

 あれはもう“部屋”としか言いようがない。

 あとで改めて吟味しよう。


 それよりも今は、歩花の水着だ。


「ああ、歩花。今日はそれほど暑くないし、ちょうどよかった」

「うんうん。でも一応日焼けしたくないから、オイル塗ってくれない~?」


 歩花は、俺の隣に腰を下ろして仰向けに。

 ……って、そこは普通逆じゃないか。

 うつ伏せからいくものじゃないのか!?


 オイルの入っている容器を渡され、俺は困惑した。


 一応、周囲の目もあるんだけどなぁ。

 家族連れがたまーにこちらを見ているんだよな。歩花ってガチの美少女だから整った容姿が目立つんだよな。小さな男の子からも注目を浴びるほどだし。


「いいのか?」

「いいよ。塗って」

「仕方ないな~」


 周囲の目線は気にしないことにした。

 俺はオイルの中身を取り出し、まずは両手で馴染ませていく。……さて、ここからが本番だ。

 歩花の背中に触れ、ゆっくりと指を動かしていく。


「…………んっ」


 すると歩花は明らかに様子がおかしかった。


「ちょ、変な声出すなよ!?」

「だ、だって……お兄ちゃんの指がくすぐったいんだもん……」


 突然といえば当然の反応だ。

 今のはあくまでくすぐったかっただけ。

 それだけの話だ!

 そう自分を納得させ、作業を続けた。


 しかし、何度塗っても歩花は明らかに変な声を出していた。……傍から見たら、いかがわしいことをしているようにしか見えないな、コレ。


 だが、まだ難関が控えていた。


「なあ……歩花」

「ん~?」

「胸はいいよな。自分で塗るよな?」

「もちろんお兄ちゃんに塗ってもらうよ」


「なんでー!? 公の場で無茶だろ、それは」

「大丈夫だよ。誰も見てないし」

「いやいや、見てる見てる。めっちゃ見られてるー!」


 残念ながら男たちがジロジロ見ているんだよなぁ。これ以上は危険だ。いろんな意味で。

 残りは自分で塗ってもらうことにした。歩花は残念そうにしていたけど、仕方ないさ。これ以上の姿を他の男に見せるわけにはいかないからな。



 ――少しして、ようやくオイルが塗り終わった。



 浮き輪に乗る歩花に水を掛けたり、たまに移動したり……割とまったりとした遊泳を楽しんでいた。

 紺とかいればビーチバレーなどに興じてみたかったが、今日は二人きり。

 やれることと言えばこれくらいだ。


「海水が気持ちいいな」

「最高だね~」


 ぷかぷか浮かんでいるだけだが、歩花と過ごす時間はとても有意義だ。やっぱり、可愛い義妹がいると楽しいな。


「そろそろ戻るか?」

「まだ早いよ。お兄ちゃん、ここなら……いろいろシてもバレないと思う」

「え……? 歩花、こんなところで?」

「水着を取っちゃおうかな~。下なら見えないし」

「ちょ!」


 小悪魔のように笑う歩花は、ビキニのヒモを解いていく。そして、そのまま俺に抱き着いてきた。


 ……う、うぉッ!?!?!?


「このまま海の中で楽しんじゃお」

「だ、だけど……」



 いや、周辺には人がいない。

 俺と歩花だけだ。


 ここで俺は歩花と久しぶりに……。

 うん、そうしよう。

 歩花が求めてくるのなら、俺も歩花を求める。

 海の中で歩花を思いっきり愛そう。

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