旅の準備完了! いよいよ出発へ

 シャワーを浴びせてもらい、汗はすっかり流れてスッキリ。湯船に三人は、さすがに入れないので二人を優先させた。


「俺はここで待ってるから」

「え~、お兄ちゃんも入ろうよ」

「三人は無理じゃね? 二人はいけるけどね」

「そ、そかぁ……今日はシャワーだけにしておこっか」


 そうだな。無理に入る事もないか。それに……これ以上は、俺の身も持たない。さっきから、二人のあらゆる部位が視界に入って、俺はどうかなりそうだった。

 歩花は見慣れているとはいえ、あの胸には負ける。そして、紺も健康的な身体がエロい。このままでは俺は醜態を晒す羽目になるだろう。主に下半身的な意味で。


「風邪を引く前に出よう。もう十分、二人から洗って貰ったし……」


 そう。俺は、歩花と紺に挟まれ、隅々まで洗って貰ってしまった。あまりに過激すぎて頭が真っ白になって……記憶が飛んでしまっているけど、幸せだったなあ。



 風呂を出て、俺は先に着替えた。そのまま冷房の効いたリビングへ向かい、荷物の整理を開始した。歩花と紺は、まだ着替えとか髪をかわかしたりで時間が掛かるから、その間に少しでも作業を進めておこう。



 さあ、開封の儀・・・・だ。



 カッターナイフでダンボールを開封しまくっていく。中身を取り出し、並べていく。中身を取り出し……並べていく! そんな単調作業を繰り返していく。


 しばらくして、歩花と紺が風呂から上がってきた。



「おまたせ~」

「ただいま戻りました」



「おう。こっちは荷物の準備をしていた。だいぶぎ終わって、あと少しだ」



 ポータブル電源、ソーラーパネル、ポータブル冷蔵庫などなど大型から小型のアイテムがズラリ。後はこの中から持っていくものを選定していく。


「わぁ、沢山の車中泊グッズであふれていますね。これ、コンセント付きのモバイルバッテリーじゃないですか! あ、こっちはマットレス。これ良いですよね! おぉ、コールマンのリュックサックー!」


 紺が目を輝かせてグッズを手にしていく。さすが詳しいな。


「そういえば、紺は準備しなくて大丈夫なの?」

「あたしはもう既にいつでも出れるように準備してあるんですよ~。なので、お二人待ちですね。バイクも整備完了ですし、いつでも出れます」


 予め準備していたわけか。

 なるほどね、俺も気合を入れていかないとな。


「紺は、準備万全か」

「なのでお二人の邪魔にならないよう下がっていますね」

「ああ、すまない。しばらくソファでくつろいでいてくれ」

「分かりました。もしお手伝いできる事があれば、言って下さいね」


「その時は頼む」


 ソファに向かう紺は、寝そべりこちらを静かに見守っていた。……さて、どれを持っていくか決めなくちゃな。



「ねえ、お兄ちゃん。軽キャンピングカーには、何を持っていけばいいの~?」

「収納スペースはあるんだけど、荷物は出来るだけ減らしたい。あんまり多いと管理も大変だし、居住スペースが狭くなるからね。とはいえ、軽キャンピングカーだから、普通の軽自動車よりは広いし……そんなに気にする必要もないか」


 しかも、キャンピングカー全般に言えるけど『リアボックス』を取り付けられるのだ。その分、更に荷物を積載できる。

 今回買った軽キャンピングカー『インディ272』には取り付けられていた。だから、結構無理はできるはず。



「着替えとか欲しいよね?」

「ああ、三日分はあればいいと思う。洗濯はコインランドリーを使えばいいし、現地調達という手もある」

「うんうん。じゃあ、後は洗面用具とかのトラベルポーチがあればいいよね」


 ちょうど目の前にトラベルポーチセットがあった。中には、歯ブラシや歯磨き粉、ボディソープ、リンス・シャンプー、ボディクリーム、日焼け止め、ヘアブラシや綿棒、タオルなど詰まった日用品セットがあった。


「それあれば事足りるな。次に寝具だな」

「お布団持っていくの?」

「さすがに大きすぎるから、毛布二枚、寝袋シュラフ二枚、マットレス二枚があれば十分だ。でも、俺は枕が無いと寝れないので持っていくけどな」


「歩花も欲しいー!」


 そういえば、歩花も枕がないと寝れないタイプだったな。必須アイテムだな。それと、アイマスクだ。最近のアイマスクはハイテクで、USB接続のカイロ機能付きのものがある。俺はそれを持っていく。疲れた目を癒せて便利なんだよね。


 あと車中泊する場所によっては『騒音問題』がある。常にトラブルを想定し、耳栓は必須。百均ので十分だな。それと、ノイズキャンセラーイヤホンも買っておいた。



「歩花、耳栓とイヤホン、どっちがいい?」

「え? それは何に使うの?」

「例えば、サービスエリアとかで寝泊まりする時に欲しいんだよ。トラックのエンジン音とか五月蠅うるさいいんだぞ~」


「そ、そうなんだ! 耳栓は欲しいね」

「まあ、小物だし両方持っていくか」


 あとは料理道具だ。

 シングルバーナー、組み立て式の箸・フォーク・スプーン、クッカーなど、この辺りは種類が多すぎるし、俺が選別しておくか。


「あ、回お兄さん! そのシングルバーナー…スノーパークの収納式! 一万円くらいしますよ、それ」

「さすがだね、紺。そう、この筒状のはスノーパーク製品。これ、コンパクトで気に入ったからね」

「お買い上げありがとうございますっ」



 もちろん、スノーパーク製品は外せない。とりあえず、調理道具はいったん保留にし、次はいよいよ家電アイテムに移る。


「ポータブル電源は『ジャックリ』の191400mAh/708Whと、追加購入した278400mAh/1002Whで十分持つだろう。しかも、ソーラーパネルもある。走行充電も出来るようにしたし、問題ないはず」


「な、なんだか凄いね……」


 赤ん坊サイズはあるポータブル電源が登場する。……さすがに重い。その他に、お湯を沸かすケトル『ワクヨくん』と小型炊飯器の『タケルさん』、小型の電気鍋(260W)などなど持っていく。



 こうして、一日を掛け――ついに準備は完了・・・・・した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る