チェック…

〈ユメノ視点〉








「・・・36.1度…」






体温計を見てから

アプリへと打ち込み表示された

グラフとカレンダーを見てホッとした






排卵時期はまだなようで

「よしッ!」と言って

棚の中に体温計を戻してから

着替えを始め

昨夜のおじさんとの情事を

思い出しながらニヤニヤと

顔が緩んでいくのがよく分かり

「・・・はぁ…」と

熱のこもった息を溢して

鏡の中に見える赤くなった頬に手を当てた






おじさんから抱かれるのは…

3回目で…

あの旅館以来…1ヶ月ぶりだった




初めて抱かれた時の事を思うと

お義父さんやお義母さんのいるこの場所で

そう言う事をするのが

何となく恥ずかしく感じ

同じ布団で寝ても

あの日の様に肌を重ねてはなく…





前の様に私から

声をかける事もなかった…






昨夜、先に布団で眠りについていると

息苦しさを感じて

「ンッ…」と声を漏らし

戸惑いながら目を開けると…





アオシ「声…抑えろよ」





読経を終えて布団に入って来た

おじさんの顔が目の前にあり…

荒い口付けの合間に

「あっ…おし?」

と問いかけても

おじさんは「少し付き合え」とだけ言い

激しく絡めてくる深いキスに

眠っていた脳はドンドン覚めていき…





少しずつ乱されて行く服に

おじさんが私を抱こうとしているんだと分かり

必死に口に手を当てていたけど…






「ャッ………あッ…」






身体を激しく突かれる度に

口の前にあった手は

段々とおじさんを求めて伸びていき

気がつけば甘える様に抱きついていて

「はぁ…」と眉間にシワの寄った顔で

「抑えろって言っただろが」と

どこか余裕のない声が聞こえ…




そんな顔を見せるおじさんに

また身体が反応して「ァッ…」と声を漏らすと

グッと口元に圧を感じ

おじさんが手で私の声を止め様としているのが分かった






「・・・ッ…」





アオシ「少し我慢しろ」






苦しそうな顔でそう言うと

上体を少し起こして

片手で腰を掴み

また甘い刺激を何度も与えてくれた…






昨夜みたいに口を塞がれた事はなく

最初はビックリしたけど

おじさんが私を乱暴に扱ったわけじゃないし






( ・・・むしろ…甘かった… )






押し寄せる波の感覚が段々と早くなり

腰が宙に浮いたのと同時に

口元に感じていた熱さがパッとなくなり

私の甘い声はおじさんの唇によって塞がれた





おじさんは…

どんどん甘くなっていく…




薄っすらとかいた汗に張り付いた私の前髪を

かき分けながらチュッと何度も角度をかえて…

私に酸素を吸わせるとまた唇を重ねてきていた








アオシ「鶏小屋の鍵は

   俺が開けておくからゆっくり準備しろ」








朝目を覚ますと

いつもの様に袈裟に着替えたおじさんが

そう言って部屋から出て行き

昨夜…寝ていた私を起こした事を

少し気にしている様だった






「早く行かなきゃニーコ達が寂しがるわね」






緩んだ頬をペチペチと叩いて

部屋から出て縁側に顔を出すと

膝を曲げてマルちゃん達の相手をしている

おじさんの後ろ姿が見え

「おはよう」とピーコ達に声をかけて近づいて行き

おじさんの首に後ろから腕を絡め

「おはよう蒼紫さん」と耳元で囁くと





照れているのか「おみぃ…」と

素っ気ない返事が帰ってきたから

左耳に唇を当てて「またしてくれる?」と

手をおじさんの口元に持って行って問いかけてみた






アオシ「・・・バカか…」






この日から

私とおじさんは肌をよく重ねる様になり…

妊娠をしない様に

排卵日などチェックする様になった…









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