相談…

〈ユメノ視点〉











マリコ「ブッ!夢乃が拒否られた!笑」






「・・・・・・」






麻梨子にはホテルに帰ったあの日の夜に

ちゃんと電話をしてお寺に戻る事を伝えていて…





マリコ「そう…戻ったんだ…

   そうか、そうか…笑」





前の様に大反対をする事もなく

電話の向こうで笑っている麻梨子に

「怒るかと思ってた」と言うと

「んー…」と少し唸り…






マリコ「・・・貧乏とか関係ないじゃん…笑」





「え??」





マリコ「そのお坊さんの事がちゃんと好きなんでしょ?

   だったら…貧乏とかは関係ないのかなって…

   たっちゃんが急にリストラされて

   今よりもお給料下がったとしても

   アタシもきっと離れられないから…」





「・・・・・・」






たっちゃんは…

いたって普通のサラリーマンで

麻梨子はよく「もう少しお給料高かったらな」と

ぼやいていたけど…





今よりもお給料が下がったとしても

たっちゃんとの結婚を辞める気はないと

言っている麻梨子に「そうだね」と笑って答えた

きっと…麻梨子の幸せはたっちゃんなんだろう…

   





マリコ「お互い…式はまだだけど

   人妻もどきなわけだし…

   また色々と相談とか、愚痴とか?笑

   ちゃんと連絡してきてよ?」






「うん、する!

 麻梨子との友情線は永遠不滅なんだから!笑」







なんて事を言っていたから

さっそく昨日の夜の事を買い出しに行きながら

電話で相談をしたのに…






マリコ「いや!お坊さん最高だね!笑」






抱く気は無いなんて言われたのは初めてだし

実家だからとか…

結婚式まではとか…

そんな言葉を「はい、分かりました」

と受け入れるほど

最近の24歳はおしとやかじゃないのよ…





三歩下がる?三つ指をついて出迎える?

いつの時代よ!!





大好きな人の隣りを手を繋いで並んで歩きたいし

帰って来たら会えなかった寂しさを埋める為に

ギュッて抱きつきたいし…





結婚式までまたずに

熱く抱きしめてほしいの!!





「笑ってないで

 どうしたらいいのか考えてよ!」






マリコ「あぁー…ウケる…笑」






「・・・・・・」






麻梨子は十分笑った後に

カチャカチャと音を立て出したから

きっとコーヒーでも煎れているんだと分かり

「アタシの分も煎れてよ」と伝えると

「前は歩きながらいっつも飲んでたのにね」と

また笑声を上げだした






マリコ「なんか…夢乃はお寺が合うのかもね?」






「へ??」






マリコ「お坊さんもだろうけど

   お寺に行ってからなんか良い意味に変わったし」







麻梨子の言葉にビジネスホテルで

一人暮らしをしていた2週間近くの事を思い出し

お寺に行く前と行った後では

考え方も…沢山変わっていて

毎日取り替えられるシーツカバーや

綺麗にされた浴室に感動していた






( 前は…当たり前よなんて思ってたっけ… )






マリコ「・・・だから…

   結婚式までのおあずけも受け入れたら?笑」






「・・・・イヤッ!」







それとコレは話が違うわよと思い

歩く足を止めてハッキリと拒むと

「肉食女子はNGじゃなかったの?」と

コーヒーをゴクゴクと飲む音を交えながら

問いかける麻梨子に「グッ…」と

何も言えなくなった…






「女の子からグイグイなんてダメダメ!

 いつでも求められる側でいなきゃ!

 しっかりと肌のお手入れをして

 可愛い下着でラッピングされた自分を

 ただ準備しとくだけでいいの!!

 プレゼントのリボンを解いて中を空けるのは

 彼氏アッチの役目なんだから!」

 



   


なんて事を言っていた昔の自分に

リボンを解かない男にはどうしたらいいのよと

問いかけたくなった…












  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る