虫のしらせ、不思議なこと

篠騎シオン

KAC20223 お題「第六感」

今日の昼の12時、KACのお題が発表された。

「第六感かぁ……」

僕にとっては、とてもタイムリーなお題に感じた。

たった今、これに類することを経験しているからだ。


先日(本当にごく最近)、僕のとても大事で尊敬していてお世話になった家族が亡くなった。

そして、いざ葬儀の準備、となった段で、お葬式に必要なものが見つからない、というハプニングが起こる。まあ、ありがちなことだと思う。


その一つが写真だった。

故人と同居する家族の話によると、これをお葬式の写真にする、と亡くなった彼女が望んでいたものがあったらしい。

けれど、それの場所を誰も覚えていなかったのである!(僕は場所を知らされていなかった)

いくら整理された部屋だからといって、情報なしに物探しをするのは難しい。(生前の故人はとても真面目でまめな女性だった)

結局、一晩目は何も見つからず、明日にしようという話になった。

そしてあくる朝、僕は何だか疲労とは違う体の重さで起き上がれなくなった。

なにか故人が伝えて来ているような気がしながら、少し休んだのち僕は家族の元に向かった。

すると昨日夜遅くまで探した疲労からか、別の写真を使おうという話が出ているではないか!


僕は彼女が自ら決めて大事にしていたものを諦めたくなくて、そして体の異常な感覚に覚えがあり、故人の部屋へと赴いた。

なんとはなしに手を伸ばしたのは、昨日何度も探した棚に並ぶ、一冊のアルバム。

想いを込めながら開くと、探したはずの場所から一枚の写真が現れた。

写真の裏にしっかりと書かれるは、ここで例の写真を撮ったんだと家族から聞かされていたホテルの名前だった。

「これだ!」

僕は小走りで家族の元へ向かった。

写真の彼女は、とてもよい表情をしていた。


まあ、こんな感じで、人の死や、思いの周りでは不思議なことが起こりうる、と僕は個人的に信じているし、実際に何度もそんな経験をしていたりもする。

確かに探したはずのところから探し物が見つかったり、いつもしない行動をしたおかげで彼女の死を知ることができたと話していた人も今回出会った。後者は、虫の知らせというやつだろうか。

世界は不思議に満ちている。


こういうスピリチュアルなことを信じないという人がいることも知っているし、無理に信じてもらおうとも思わない。

全ては僕の思い込みかもしれない。

ただ焦って視野が狭まっていて、前日は見つからなかったものが、よく寝て視野が広くなって見つかっただけかもしれない。

その可能性だってちゃんとわかってる。


それでも不思議なことを信じて生きる方が、僕は楽しいし、幸せだ。

思想を誰かに押し付けたりしない限りは、思考も思想も自由なのがこの国だ。

無宗教だけど、八百屋の神様を信じたり、クリスマスを祝ったり、お正月には神社に行ったり。

そんなはちゃめちゃでちょっと変わったこの国の信じる心が、僕はとても好きだ。

不思議なこと万歳、創作万歳!

ああ、このままではどうでもよいことを永遠に語ってしまいそうなので、ここらで締めとさせて頂こう。


まだ、衝撃が抜けきっていない頭で書いているため、読みにくい部分もあるかもしれない。申し訳ない。


けれど、僕の気持ちが少しでも読者の皆さんに伝わって、僕の亡くなった家族に対して1秒でもよいので思いをささげる時間を持ってもらえると心の底から喜ばしい、と考えながら、葬儀前の時間を縫ってこの文章をしたためている。

普通は落ち着いてからこういうものを描くものであろうが、故人の彼女、すまない。

あなたの、又姪(姪の子)は物書きなのだ。

今、の心を残さずにはいられない生き物なのだ。

許してほしい。



僕は、あなたのことを心から尊敬しています。

どうか、安らかに旅立てるよう、祈っています。


そして、読んでくださった皆さんもありがとうございました。

あなたにも幸せが訪れるよう心よりお祈り申し上げます。


ラストでいきなり、ですます調が混ざってしまったが、はじめてのエッセイでご愛嬌ということで許してほしい。

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