第44話 選択肢20ー2クライヴの服を脱がせる※BLルート※(42話選択肢より)
クライヴの服を脱がせた。
「僕の命令を無視するのか」
「はい。……申し訳ありません」
クライヴが私の名を呼びながら、私の頭を抱きかかえようとした。
私はクライヴの手をすり抜け、彼を愛撫で苛む。
「うう、あ、はぁ……っ」
クライヴは悩ましげな吐息を漏らす。
私は熱を持ち、反応しているクライヴを感じる。
「声を我慢しないで。クライヴ様」
「ん……っ」
クライヴは、唇を噛み締めながら、首を横に振った。
彼の目が、潤み始める。
「もっと乱れるあなたが見たい」
「嫌、だ……っ」
耳元で囁くと、クライヴが抵抗する。
私とクライヴの爛れた時間が過ぎていく……。
……それから、私たちの関係は、主従が逆転した状態になった。
人前では私は従順にクライヴに仕え、夜になるとクライヴが私に奉仕する。
クライヴが真面目に仕事に励むようになり、彼の父親は、無理に、気がすすまない縁談を強行しようという考えを捨てた。
「……」
屋敷の者たちが寝静まった真夜中に、クライヴが私の部屋に忍んで来る。
今、狭いベッドの中で、クライヴは私の互いの体温を感じている。
「ん。いい、ですね。クライヴ様……」
彼を慰撫しながら、私は思う。
いつまで、この暮らしが続くのだろう。
いつかは、クライヴは妻を娶り、私も家庭を築く。
では、私とクライヴの関係は、どうなるのだろう。
この屋敷に来た時、私には、やっと未来が見え始めた気がした。
でも、今は見えない。
ただ、穏やかに暮らしていける、そのことを幸福だと感じてやり過ごすことが正しいのかわからない。
でも、私はきっと、自分からクライヴとの関係を絶ちきることは出来ない。
一度覚えた男色の味は、生涯忘れない。
友人の言葉が、耳に蘇る。
あの時は、酒を飲みながら、笑って聞き流していた。
でも、今は……。
……クライヴが、愛しい。
将来の展望が無い恋に溺れる人間を、愚かだと嗤っていた。
でも、今、私は恋をしている。
決して、認められない恋だが、手放したくない。
そう思いながら、私はクライヴを抱きしめた……。
【END18 手放せない恋心】
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます