第12話 選択肢8ー 1「さようなら。楽しかったよ」と言った(11話選択肢より)
「さようなら。楽しかったよ」と言った。
「わたしも、楽しかった」
そう言って、彼女は薄布の向こう側に姿を消す。
その直後、扉が開いた。
最初に部屋に案内してくれた、案内人が私の手錠を外した。
「お楽しみいただけたでしょうか?」
私は、迷わずに肯いた。
その後、案内人に促され、部屋を出る。
……そして、私は娼館を後にした。
その後、クライヴは娼館通いをやめた。
きっと、リリィが彼を説得してくれたのだろう。
クライヴの父親は私の働きを高く評価して、臨時の賞与を払ってくれた。
私は、その賞与を受け取り、職を辞した。
リリィと出会い、娼館の中だけでクラスカナリヤを知り、私は広い世界を見てみたくなった。
……安定した職につき、少しでも長くつとめ、貯金をするという以外の生き方を選んでみたくなった。
まずは、旅行をしてみよう。
衝動で決断したことを後悔するかもしれないけれど、でも、今はそうしたい。
鳥籠の鳥の代わりに、世界を見るのだ……。
【END8 自分の足で、旅に出る】
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