第7話 選択肢3 ー1「自分が令嬢と縁を結びたいです」と言う(6話選択肢より)

「自分が令嬢と縁を結びたいです」と言った。


「本当か!? 冗談ではないだろうね!!」


「はいっ」


後には引けず、肯く。


「わかった。お父様に、君の気持ちを伝えてみるよ。お父様は、婚約者の家と縁を結ぶことができるなら、僕でなくても良いと思うかもしれない」


そう言って、クライヴは部屋を飛び出して行った。


「……」


性格を良く知らない令嬢と結婚したいなんて、早まったことをしてしまっただろうか。


「いや、大事な一人娘を、どこの馬の骨とも知れない私と添わせるなんて、父親なら絶対にしないだろう」


声に出して呟き、自分の心を落ち着かせた。

その直後、ノックの音もなく、扉が開く。

部屋に入って来たのはクライヴだった。


「お父様に話して来たぞ!! 次に彼女と会う時に、お前も連れて行くことになった」


「……」


「彼女に気に入られるように頑張るように」


「……承知致しました」


そして、令嬢に会う日が来た。

なぜか、私は、令嬢の父君に気に入られ、令嬢にも受け入れられてしまった……。

勢いで言ってしまった言葉が吉と出るか凶と出るかわかるのは、今はまだわからない。

ただ、この流れに乗って進むだけだ……。


【END2 流されて、玉の輿に乗る】

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