復活…巫 諏訪野美琴である現実

激動の日常は常に紙一重の未来があって、

自分のこれまでの価値観を変えなければ

生き残ることなどできない試練ばかりだった。


その考え方をものにする為、熟考する時間の如く、全てが止まった。



人生の立て直し期間。

ひたすら一人の時間と、向き合った。


そして私は何伝えなければならないのかと、考えた。


その答えは今も出ていない。

何故なら魂の成熟度で、伝える言葉が違うことを学んだからだ。

だからその人のペースに合わせた言葉を選び、求められていると気づいた途端書けなくなった。


そして再び、綴る。

自己満足でもいい、それでも表現する事は私が私である証のような気がして、書きたいことを伝える。


未来を変えるほどの、大きな役目を担うと考えると、その重さで潰れそうになる。

だからせめて自分の伝えたい事を、自分なりに伝える。


その中には神託される現実も、大きな理由の一つである。

しかしそれ以前に、気づいたものが伝えなければならないという、自分主体の考えがある。


伝えない限り、棚上げしてきた問題は何一つ変わらない。

変わらない絶望だけが繰り返される。

それを否定する為、再び立ち上がる。


それが私の答えだからだ。


立ち止まっていた期間を振り返ると、9.22退院した要子が再び入院した。


「うるさいうるさい!」と喚き、本来は聞こえないはずの声に悩まされ、休まらない心。


それは以前に相談を受けていた方と同じ症状だった。


その状況で、要子の敵意は私に向けられ、追い詰められる。


一歩道を踏み間違えたら戻ってこれないところまで追い詰められ、崩壊していた。


もう、限界だった。


踏み外すギリギリのところで、自分を保つ。

それでも負荷をかけてくる現状に、逃げ場はなかった。


地獄のような苦しみと今なら思う。

血を吐くような、ドロドロの中に囚われていた。


そんな状況の中、人はどんな環境であっても不満を抱くものだと知った。


周囲から理解され、優遇されている環境であろうがなかろうが、人間とは悩みを見つけることが得意なんだと感じた。


色んな時間差で押し潰される心と、そして慢性的な閉塞感。


疲れ果てた身体は、回復することがなかなかできない。


入院までの記憶を、要子は覚えていないと言う。

今思うのは半分は病気で、半分は霊障だと考えている。


そうまでして潰したかった未来とは何かと私は考える。



心当たりがあった。


大きなイベントとして『国を挙げての葬儀』があった。


これをめぐって、桜井とのやり取りの録音が何件かある。


もちろん、私に降りてきた私ではない存在が語ったものである。



早い段階での変化として、事件の当時を追体験させられ、そして語られた言葉があった。


その存在は何度か桜井と会話をしており、今の私では到底、検証出来ない事までもが語られている。


それに基づいて行動に移し、連絡を取らせてもらった関係先もあった。


関係先が、それをどこまで真実と受け取ってくださったか、それは分からない。

それでも故人から託された想いとして、形にし表現した。


少しでも穏やかに受け止められるようにと、それだけ気にしていた。


そして何故、私の元に現れたのかも語られた。



亡くなられてすぐに神仏が現れ、私の元へと案内されたと言う。


その上で何が間違いであったのかを諭され、死してなお役目を与えられ、説得された様だった。


そしてその存在は、決して『国を挙げての葬儀』を望んではいなかった。



自動書記的に私ではない存在の葛藤や心の動きが分かる文章も実は残っており、どのタイミングで出すのか、どのタイミングで語るのか、悩んでいた。



それはあまりにとんでもない出来事で、これまで神々が降りてきて、教えてくれた言葉以上に衝撃だった。


世の中を動かす、表に出してはならない言葉だと思っていた。


しかし、それを裏付けるように各地で自然災害が起きた。

圧倒的な力を前に、なす術をを持たない現実として、突きつけられる。


メンバーの住む近くの川も氾濫寸前だった。

しかし、桜井が法華経を唱えるように伝え、一晩を乗り越えた。


川は奇跡的に氾濫せずおさまった。



時期を同じくして8月末、私は桜井とともに御本尊にお会いし、縁を結んで帰依した。


その時見た光景こそ、御本尊を囲む光の存在。


これまで私が感じていた天照様を始めとする、神々の存在がそこにはあった。


その時、その光の存在たちは私に語った。

「よくぞここにたどり着いた、これで分かったであろう」


それは光の存在が厳然と仏を守護し、その功徳で神という地位を与えられているのだ、との証拠だった。


その光景を私は目を閉じた状態で視て、そして背中に温かい力を注がれた。


その後も顔の見えない存在を通して、追体験し、都度、桜井と検証した。


その顔の見えない存在こそ、御本尊様であり日蓮大聖人であることを受け入れ、その上で何を伝えなければならないのか、分かった次第もあった。


しかしさすがに大きな案件が重なった時、私の中で危機意識か働く。


普通の生活すら、出来なくなるのではないか…。


踏み出す段階から、もう進めなかった。

立ち入ってはならない、戻れないところまで来たと感じた。


そう悩む自分に魂のルーツが見えてくる。


それはふたつの方向から、選ばれたことを語る。

時期を同じくして、裏付け的に現れる現象。


受け入れるしか無かった。


そしてどんな戦いがこれから起きたとしても、気持ちだけは負けないと決心して今があるはずなのに、それでも人間故に揺れては疲弊していた。




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