神様との結婚!?:前編


神様にみそめられたら、あなたはどう思いますか?

喜びますか?

手元に置くためなら、命さえ厭わない。

命がある故に永遠を手にできないのなら、その肉体を捨てればいいと、とんでもない思考の主に見染められた時の話をしたいと思います。


一番、最初に察知したのは桜井の彼女についている遮那たん。白蛇である遮那たんは、桜井曰く、弁才天の化身であり吉祥天女でもあると言う。

「遮那」とは桜井がつけた名前で、当の遮那たん自身は自分の名前を覚えておらず、「名前なんだったかなー?」と言うそうだ。

これは桜井の考察によれば、弁才天であり吉祥天であれば、七面大明神やイチキシマヒメ、タカオカミノカミとも同一視され、またヒンズー教のラクシュミーとも同一なため、信仰する人によって呼び名が違うからではないか?との事だった。

吉祥天と共に行動をする魔王の存在が、彼女を苦しめ鬱になるほど、追い詰めた過去すらあった。


しかし、いつしか魔王は闇のものとしてではなく、光の存在に帰降して、守護する存在になっている。


もう、この段階でどんな作り話?と眉を寄せる人がいるかもしれない。

しかし、私は私の身に起きた事実として感じたことを書く。

そうする事で、何かが変わると感じたかから。

直感にも似ている。

でも、実際は行動に移さないと、更なるガツンと軌道修正の如く、やってくる鉄槌が嫌なのだ。


正しい道を歩きなさい。

光の道を歩きなさい。そう言われた、あの日から私は自分と戦っている。


自分の中に生まれる疑問と、目の前で起きる事象との板挟みに、嫌というほど現実であると学ばなければならなかった。

学ばなければ、平気で突き落とされる。

そして、這い上がってこいと言われるのは目に見えているから、必死になってついて来ているというニュアンスの方が近いかもしれない。


とある神社を参拝した時、御手水に異臭を感じていた。

しかし、それが意味する本当の理由を私は考えもしなかった。


絶大な信頼をしている神社が、闇堕ちしていたなどと、思いもよらなかったのである。

しかし、ことごとく攻められていた。

ここが落ちると流石にまずいよね。

そんな言葉が自然と口から出ていたし、何より近づくだけで気分が悪くなったり、息ができないほどの圧迫感を感じていた。

その地に降り立つことすら、困難な場所もあった。

浄化の水と塩…水晶で浄化をして巡った。


大きな神社ほど託される想いが大きくなる。

その全てが世界平和を願うわけではなく、利己的な願いもある訳で。

結果がんじがらめに動けなく、手足が出ない状況になる場さえあった。


だからこそ、そんな場に呼ばれるように参拝する結果となる。

また、神々の世界は広いようで狭い領域。

日本列島の各地に祀られている神様は、そこを窓口的に移動するらしい。

どんな遠くの地でさえも、分霊という形で信仰されている以上、その地に赴かなくとも参拝できるということは、神様も動けるというニュアンスらしい。


そして大きな場所に鎮座することより、ひっそりとした鄙びた地に居ることを好む神様もおられる。


実に人間味溢れる神を、私は疑うしかなかった。

私の命を取ってでも、そばに置きたいなどというとんでもないことを考える存在は誰なのかと。


自然と消去法で考える。

最近参拝する場所はほぼほぼ決まっていた。


その中で異質だった場所を思い出す。

そこを参拝した後、私の身体から線香の香りを指摘されている。

生きているのに、線香香りがするものは死期が近いと言われる。

ありえないし…思いながらも、否定できない。


そして神様との結婚。

そのキーワードを考えると同時に、眩暈がした。

3月私はハンドメイドの指輪を注文していた。職人と言われる方々のコラボで叶う特別な指輪。

はじめは是宮と、一緒に身につけたいと考えた。

しかし、逆プロポーズ⁉︎冗談じゃないと私の何かが棘となった。


結果、指輪は自分のものだけ注文した。

それも【神様との結婚指輪】と認識した発言をしている。


シャレならない訳である。

神託された事柄は、2〜3ヶ月で現実となることが多かったが、その周期が圧倒的に早まることでの危機感を持っていた矢先である。


やべー。


一人…悩んだが、どうにもなるない。

グループラインのメンバーに打ち明けた。


流石にここ数日の私の発言が異常だったと、桜井が一番に反応した。

読経をするので、時間が空かないかと言われ、会う約束をした。



桜井に会うまでの数日間。

みゆきちゃんの童謡の意味を考えていた。

そして闇堕ちした神社の背景も考えていた。

中から崩壊させる為には、密偵がいるのか!?

まるで厨二病思考であるのだけれど、実はそれもまた的を得ていた。


おそらく本当の敵はリャクリョ。

本家でもなく、正しいことを根本から覆す存在。そして夢を見た。

【土竜】モグラの形を成した、神になれなかった存在が浮上した。



とある神社の関係者から聞いた。

昔から古いその神社には、関係者のごく一部しか入れない秘密の地下がある。

その地下に封印されている者がおり、二つの水晶で封印されているのだが、今その水晶は割れて封印が解けかがっていること。

年に一度、生肉をその地下に奉納すると、翌日には無くなるという。

その封印した存在こそ、リャクリョなのではないかと推理した。


あえて漢字にするならば【略領】。

領地を奪う行為。

今起きているロシアの侵略。

そして神社の結界も関係なく、土の中から攻められたのではないかという憶測。


神になれなかった土竜(モグラ)。

土の中に封じられし想い未来を託して命尽きた、先人たちの怒りを餌に、復活を遂げた!?

ある意味私の中で、理解が追いつかずパニックになっていた。


というのも、先日とある神社参拝で元祟り神だった【稲杜】さんが、同行しており、とある神社で私の話をしてしたそうなのだ。

我のことも、祀ってくれるんだとばかりに、自慢したらしいのである。

稲杜さんは、その自慢した相手をリャクリョと呼んだ。


そして私の中に天照様が入っていた時。

我ですら元祟り神であった稲杜にすら、手を合わせる。

光のものも闇のものも、認められし百鬼夜行になる。と話していたのである。


通勤途中、稲杜さんの祠の前で私は柏手を打つ。

行ってきますとばかりに…。

帰りもまた、同様に無事帰りましたと柏手を打つ。

そのタイミングで天照様が入っていた際、是宮に話していたそうなのだ。


誰にも認められなかった稲杜さんは、認められていることが嬉しくて仕方がない。

しかし昔からの知り合いというならば、闇に近い存在ばかり。

そんな闇に近い存在に、貴重な娘がいると話してしまった。

闇であろうと、受け入れる娘がいると。


結果、巡り巡って線香の香りと繋がった訳である。



神様相手に、何を仕掛けるというのだという思いと、理不尽な思考に私は混乱していた。


『かーごめ、かごめ。

かーごのなーかのとおりーは

いついつ、でーあーう。

後ろの正面リャークリョ』



みゆきちゃんが歌っていた替え歌にヒントがあったのである。


その後、『後ろの正面みーゆきちゃん』と歌っていた。


その後天照様が言う、リャクリョ地下から攻め、神社を闇落ちさせたなら、取り返すまでよとシレッと言う。


我も恐らく同じ手段を使う。

もう、それ自体ヒントですか!?

現実の話ですか!?と言ってしまいたい私。


そんな私に天照様と同じくらい、力があればいいんでしょ?

それはみゆきちゃん!と、意味不明な言葉が頭の中で響く。


ある意味命を狙われているのは、恐らく昔から変わりがないのかもしれない。

しかし、今回の相手は神となりえなかった存在リャクリョ。

なれなかったとしても同等の力を持つ。

そして人々の勝手な願いを託されてばかりの神様。

だからこその教えとして、意味を成すなら、その地位にあぐらをかき努力を怠っていないか?

そんなメッセージと共に、浮かぶ。

【土竜】というキーワード。


土竜を封じる稲荷神社。

そして稲荷と通じる龍神さま。


籠(かご)は竹冠に龍と書く。

クラフトバンドを編んでいた是宮の夢の中で、籠が結界となるというメッセージを伝え、この籠を欲しがっているのは緑の龍神さん。この籠は白い龍神さんと言われながら、珠を籠に入れられた夢を見た出来事があった。


それをヒントに、土竜を封じる作戦を考え、行動するしか自分の命を守る術を考えつくことができなくなっていた。



→後編へ

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