自己紹介
私は諏訪野美琴。
子供の頃から視える感じる【不思議ちゃん】だった。寝部屋に霊道が通っており、いろんな色をした知らない人たちが列を成して歩いていた。
寝ていている自分の姿を見たり、いわゆる幽体離脱もあった。
しかし大事にならずに済んだのは、代々神主をしていた家系にあったのかもしれない。
家より離れた土地に管理をする神社があった。
その家の長女というのが私の立ち位置だった。昔で言うなら第一継承者。
しかし、私は家を継いでいない。
自分に課せられた運命に抗うように、高校卒業と共に家を出た。
命の現場に携わりたく、看護師となった。誰もつけていない心電図の波形がモニターに出ようが、誰もいない部屋のナースコールが鳴ろうが、気にならなかったし、気にもとめない様になっていた。
むしろ、リアルに生きている人間の方が余程怖いと思っていた。
しかし、今は目には見えない存在が一番タチが悪い。と考える様になっていた。
ストーカー規制法など刑法で裁ける人間の方が、余程マシである。
私は見えない敵と、対峙している。
それは時に…いや常に、命を脅かす。
ここ3年程凄まじいものはない。
それと同時に覚醒せざるをえなくなり、受け入れた。
明らかに神託を受けた。
断崖絶壁に立ち、太陽を背に受け、手を合わせる綺麗な神様。
天照大神を視た。
そして悟った。
どんなすごい神様ですら、手を合わせることしかできない現実を受け止めた瞬間だった。
そして託される。
救たくとも声が届かない。
助けたくとも、手が届かない。
だからこそ、闇を知りそれでも負けない魂が必要だった。
そのために、負荷をかけ続けた。
どんなに困難な状況でも、這い上がれなければ光にもなれず、闇に堕ちるだけしかない。
闇を知り、それでも自分の考えとして、自らを保つ【器】が必要だったと言われた瞬間、これまで自分の身に起きた、不幸の数々を思い出し眩暈がした。
1人の人間が一生に一度、経験するかしかないかの不幸を数々踏んできた。
そして生死を分ける出来事も、何度となく経験し、生かされてきた意味を、理解した気がした。
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