2話
真っ暗なところに来てしまった。ここは何処だろう。何だか不安だ。こんな時はいつも宙兄さんにもらった首飾りを握る。こうしてるだけで不安が消えていく気がするんだ。
「…ら、疏楽」
顔をぺちぺち叩かれて起きる。
「あれ…えっと…ツクヨミさん」
「あの、ここどこですか?」
ツクヨミに聞くと、
「天だ。」
「は?」
仕方ないだろう。若干12歳の少女に「ここは天だ」とか言われても・・・ねえ?
「わたし、死んじゃったんですか?」
「いや、そう言う訳ではない。精神的には死んでいるが。」
身体はまだ生きていると言うことなのだろうか。それならまだ帰れる。
「あ、じゃあ帰ります。」
「何を言っている?帰す訳ないだろ?」
言われると思ったが、わたしがそんなことで諦めるわけがない。
ツクヨミの足をはらい、転んだところでこっちまでくるのに使った雲に乗り込もうとしたその時、
「ほ〜ぉ?」
恐ろしいほどの重低音が聞こえた。それも耳のすぐ近くで。
「きゃああああああ!」
振り返ると、ツクヨミがいた。早すぎる。怖っ。
「逃れることはできないんだ。逃げても無駄だ。私は神だから。」
その一言で、わたしはブチギレた。
「え?あんたらさ、勝手に人のこと連れてきといて何言ってんの?12歳の子にいきなりアマテラスになるとか言われてわかる訳ないでしょ?あんたらが神だろうが、嫌がってる人無理矢理連れてきたら犯罪者だよ?そこんとこ分かってんの?説明もなしに偉そうにしないでよ、私にだってやりたいこととかあるし、都合があんのよ!そこのところも理解してんの?」
「いや、そこは・・・」
ツクヨミは若干引いていた。まあ、口喧嘩では負けたことがないもんで。
「でしょ?そこの理解もせずに偉そーな口利き上がって!何様のつもりだよ?」
「神様だ」
言うと思った。
「そこしか自信もって答えられないってどう言うことよ?ほんとに、勝手に連れてきたにしてもあつかいが酷いんだけど?アマテラスになるために私は来たの!あんたらが神だろうが仏だろうが、私にカンケーないのっ!わたしにそんなにアマテラスになってほしいのなら、金輪際!私の前で「神だから」とか言う屁理屈こねないでよね!次言ったらマジで帰るから。」
そこまだいって、ようやく怒りかおさまってきた私は、深呼吸して、
「分かった?」
と尋ねた。
「は、はい…」
馬鹿にするんじゃないわよ!この鬼っ!また怒りが…
「あ、なあ、疏楽…依代何にするんだ?」
は?何を言ってるか全然わからない。あと急に話変わりすぎ。しかもなんで名前を知ってるのだろうか。
「あ、依代っていうのは、俺らの化身…的な?大事にしてたものとかってあるか?」
馬鹿にしないでいただきたい。それくらいある。
「じゃ、取りに行くぞ」
お、逃げ出すチャンスが再び⁉︎
「一緒に行くんだぞ」
Oh,ジーザス…(いるけど)
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