十一話~二十話

第十一話 新入生

入学試験が終わりセナとちびゼノは寮の部屋に案内された

ちびゼノ「お前はラッキーだったな、戦った奴が5位より上なら負けてただろうからな」

セナ「ゼノが負ける?そんなに強いの?」

ちびゼノ「お前はほんとに何も知らないんだな、天使は何でできてると思う?」

ちびゼノ「俺も天使も人間の世界に出てくる時は霊体だ故に器が必要なんだ、凛とか言う奴が言ってたろ受肉されるって、あれはな悪魔や天使を呼び出した時器になるやつが弱すぎたり魔力を持っていないと取り込まれるんだ、お前も悪魔だけの奴とか見たことあるだろ」

ちびゼノ「ただし天使は天界に続く入口が開いているから神力によって、受肉をすることなく契約を結べる、つまりだ悪魔と完璧に契約を結んでいるのは相当強い奴だから気を付けろ、特に俺とかな!」

ちびゼノ「神力は天使の物ではなく神のものだ、昔は俺達にもあった物だが、今は無いから抵抗力が無い故に下級悪魔が天使に触れようとすると消えちまう、俺はゼノ様だからチビになるだけだ!」

セナ「チビにはなるんかい!ってそれより、どうすれば強くなるの器?」

ちびゼノ「焦るな、お前は今自分の体に巡る血が把握できるか?」

セナ「そんな事お医者さんにも無理だよ」

ちびゼノ「それが基礎だ、血を把握しろお前は悪魔と契約したんだ、ただ契約して強くなる天使とは違う、これからこの学院とやらでお前を強くする」


第十二話 お勉強 

ちびゼノ「セナ、俺は少しの間魔力を溜めるためにちびで居る、お前は学院で授業を受けてこい、夜になったら今日習った事を俺の前で復習してみろ」

セナ「え〜私一人なの?学校初めてなのにぃ」

凛「今日から仲間になるセナさんです、召喚したのは悪魔ですが、彼女は完全に契約していますし悪人ではありません、皆さん仲良くして下さいね」

セナ「セナです、ふつつか者ですがよろしくお願いします」

セナに対する周りの反応は冷ややかな物だった、侮蔑の声すら聞こえてくる。

凛「セナさんの席は中央の後方です、それではホームルームは終わり、今日と明日は実践の授業の為体育館で行います、皆さん遅刻しないように!

セナ「私これからどうなっちゃったんだろう」

凛「さて、皆さんは知っている通り天使と契約を結ぶと魔力や神力を補ってもらったり特性を得たりして魔法が使い易くなります、しかし魔法は危険な物ですので魔力の強さや特性を測るためこの場で自分の持つ最も強い魔法を使っていただきます」

凛「このテストにより何かが変わる事はありませんが周りとの差を知るには良い機会でしょう、それでは始め!」

セナ(私まだ魔法の使い方も分からないのにどうしよう)

周りの人達は派手で強い魔法を次々撃っていき遂にセナの番になってしまった。


十三話 ライバルと真名

凛「セナさんは、初めてですので私がサポートします、まず自分の心臓の位置をイメージして魔法を撃ち出す手に線を繋いで下さい、回路が未熟なのでサポートで私の魔力も使いますが出てくる魔法は貴方の物ですので安心して下さい、いきますよ」

セナ「はい」

凛・セナ「3 2 1 せーの!」

その瞬間セナの手から出た物は黒く光る稲妻の様な物だった

周りがざわざわと響めき始める

凛「今、出たのはこの王都で2人しか居ない黒魔術師が使う黒魔術です、つまりセナさんは黒魔術師という事になりますね」

一通りテストが終わり休憩時間になった

凛「セナさん、今更なのですが貴方の召喚した悪魔の真名はなんですか?」

セナ「真名?なんですかそれ、ゼノはゼノじゃ無いんですか?」

凛「真名というのは、その者の力を表す物です、相手に自分から開示すると力が増します」

凛「セナさん、そういえば貴方の悪魔は今どこに居るんですか?」

セナ「今は私の部屋でダラダラしてると思いますよ、ちびになって魔力を溜めるんだとか」

凛「なるほど、部屋の外に出てないと良いんですが、今は二年生が外で戦闘練習をしていますので」

凛「殺されてしまうかもしれませんね」

セナ「ゼノが?あり得ませんよ先生も強さを見たでしょう?」

凛「そうですが、二年生にはランキング二位のモノトリスと契約している生徒が居ます、ローグとは違いモノトリスは生粋の戦闘マシンです恐らく貴方の悪魔では...」

凛が言い終えたその瞬間外から爆音が響いて来た。

時は5分前に遡る

ちびゼノが学院を散歩してしばらく時間が経った頃後ろからどこか機械的な女の子の声が聞こえた、振り返るとそこには悪魔のような魔力が漂ってくる天使が立っていた。

モノトリス「私はモノ・トリス、真名だ、私と喧嘩をしよう」

ちびゼノは姿をゼノに変えてから言い放った。

ゼノ「いいぜ...」(こいつから漂ってくる魔力ヤバすぎる今の俺じゃ勝てないかもな)

ゼノが思考を巡らせたその瞬間先程までは無かったモノトリスその物より大きいまるで柱のような腕がゼノにめり込んでいた。

ゼノ(うっ、なんてパワーだこいつ、ここで押し負けたら死んじまう!)

ゼノはモノトリスと同様に目にも止まらぬ速度でラッシュを開始した

ゼノ(今俺の中にある魔力を攻撃に全て出力しても押し切れない!)

ゼノ「ヴォォオォォオ」

ゼノは雄叫びを上げ更に攻撃の速度を早めるしかし腕の数ゼノ2本に対しモノトリスの腕6本と絶対的に手数が違う、圧倒的にゼノが押し負けていた。

モノトリス(こいつから感じたオーラは絶望そのものだった、死すら香るようなドス黒い物だった筈だこんなに呆気ないはずがない)

モノトリス「本気を出せ!私を侮辱しているのか!」

ゼノ(アレを使うしか無いのか?こんなところで?)

ゼノがそう考えていると背後から声が聞こえて来た

セナ「ゼノっ、何してるの!?」

ゼノ(セナ!?こんな時に!)

ゼノ(悪いけどよ使わせてもらうぜ俺の本当の力‼︎)

モノトリス(来る!こいつの周りの魔力が濃くなった‼︎)

刹那、ゼノの瞳が紅く光り身体には紅く輝く紋様が浮かび上がった。

ゼノ「しばらくは動けなくなっちまうが、テメェをぶっ飛ばせるなら安いもんだ!」

ゼノ 真名不明

特性 増幅 自分の内にあるモノを増幅し自身を強化する、反動はさまざま。


モノトリス 真名モノ・トリス

特性 レギングレイブ

六つまでの腕を召喚し操ることができる活動できる範囲は自身を中心とした半径1メートルの円の中


モノトリスは生まれて初めて本気でガードを上げた全てのレギングレイブを使い分厚い壁を作ったのだ

ゼノ「そんなもん無駄だぁ‼︎」

ゼノの中にある魔力は特性により増幅され魔力によって強化された拳はレギングレイブを打ち壊しモノトリスにぶつかる寸前で止まった。

ゼノ「俺はお前を殺さない、セナは俺と友達でいたいそうだお前を殺せばそれは不可能になる」

ゼノはセナと共に凛に呼ばれて去って行った、去り際にセナに感謝しろと残して。

負けたモノトリスに有ったのは悔しさでは無く清々しさと憧れだった。

モノトリス「私もセナ貴方のようなマスターに呼ばれたかった」 ランキング二位を倒した事は学院中に広まった


十四話 美しい蝶と醜い蛹

喧嘩の後、凛に怒られたセナとちびゼノは喧嘩で荒れた庭を片付けさせられていた、もちろんモノトリスも一緒に。

ゼノ・モノトリス「 ...」

セナ「どうしたのむすっとして?」

ゼノ・モノトリス「喧嘩した相手と掃除かよ‼︎」

凛「そうです!」

凛「本当ならモノトリスの召喚者であるアリスさんも清掃に参加すべきなのですが、彼女は少々我儘でして」

アリス「あら、我儘は強者の特権ですわよ、そこの醜い召喚者と悪魔に負けたのですか?モノトリス...」

アリス「本当に使えない子ですわねぇ」

アリスがズカズカとモノトリスに近づくと少し大きいぬいぐるみ程度の大きさのモノトリスを蹴り始めた。アリス「貴方は強いだけが取り柄なのに負けちゃって、今の貴方に何が残っているの?醜い!醜い!醜い!」

セナが割って入る

セナ「ちょっとやめて下さい」

凛「やめなさい!」

近づこうとする凛をゼノがそっと制止した。

ゼノ「あいつは今自分で割って入ったんだ、これはセナの戦いだ邪魔するな」

アリス「退きなさい!醜い蛹如きが、美しい蝶である私の邪魔をするな!」

そう言ってアリスはセナに向けて中級魔法であるバーストを放とうとした。

中級魔法は使い手によっては人を殺める力がある。

ゼノ「セナ!ここで孵らなきゃ死ぬぞ!」

セナ「分かってる!」

セナもまたアリスに向けて魔法を放つ準備をした。


第十五話 孵る者と変わる者

セナ(私の魔法は当たってもそこまで威力を発揮しない、狙うは魔法を撃つ出鼻、手から魔力が出たその瞬間!)

アリス「一年生が生意気なんですわ!死になさい!」

セナ(今‼︎)

アリスが放ったバーストはセナの手から出た物によって打ち消された

セナの使える魔法は黒魔術のみ、その中でも上級のブレイクが使えたのは幸運だった。

ブレイクとは相手の魔法が形になったその瞬間のみ作用する打ち消し魔法。

魔力の総量が圧倒的に劣っていても関係のない最強の技、しかし今のセナでは一発が限界だった。

アリス「なんですの!?魔法が消えた?」

セナ「私やったよ、ゼノ」

セナがそう言った瞬間、アリスはセナを蹴り飛ばし踏みつけようとしたしかしその足はセナに届く事は無かった。

ゼノ「今、何をした?」

その言葉は最初に会った時よりも天使の警備隊と戦った時よりも強い殺気を孕んでいた。

アリス(なんですの⁉︎この殺気は体が動かない!)

アリスは怯えその身に受けるには余りある殺気に押され尻餅をついた。

ゼノが殴ろうとした瞬間アリスの前に割り込む者がいた。

モノトリス「どうか許して欲しい、私のマスターは横暴だけど、誰よりも努力してきたの、変わってしまっただけで元は優しい人なの!」

ゼノ「退け、お前も死ぬぞ」

セナ(ゼノが本気で怒ってる、初めて見た)

ゼノ「死ね!」


第十六話 共に強くなる事

ゼノが殴ろうとしたその時、セナはゼノのことを抱き締めていた。

どうしてそうしたのか分からない、ただ身体がそう動いていた。

セナ「私は大丈夫だから、もう怒らないで」

その瞬間ゼノは空気が抜けたようにちびゼノになっていた。

ちびゼノ「へ?」

唖然とするちびゼノを肩に乗せ、セナは腰が抜けているアリスに近づく。

セナ「ごめんなさい、生意気な事言ってでもモノちゃんが可哀想でつい...あのモノちゃんのこと大切にしてあげてくれませんか、お願いします」

と言って手を差し伸べた。

アリスは差し出された手を見ながら昔のことを思い出した。

モノトリスを召喚した日戦争の真っ只中だった、唯一血が繋がった妹が死にその血が魔法陣に流れ召喚されたのがモノトリスだった。

モノトリスは倒れた私にもう大丈夫ですよ、と言って手を差し伸べてくれた

アリスはその日からずっとモノトリスと共に過ごして来た。

いつから間違えてしまったのだろうと思うと目から涙が溢れた。

アリス「私からも一つお願いがありますわ、わたしと友達になっていただけますか?」

セナ「もちろん」

セナの手を取り立ち上がったアリスに対し凛は近づき、ほうきを手渡した。

セナ・アリス「喧嘩の相手と掃除かよ!」

という叫び声とゼノ・モノトリス・凛の笑い声が庭に響き渡った。結局掃除は夕方までかかったという。


第十七話 最強と最凶の学院生活

翌日、3年生が修学旅行から帰ってきた、そしてそれが意味するところは学院最強も帰ってきたという事であった。

ちびゼノ「おい、セナ朝だ起きろ遅刻するぞ!」

セナ「んー、あと100年」

ちびゼノ「ほぉ〜この手で永眠させてやろうか?」

セナが渋々ベットから起きて着替えていると部屋の扉がメキメキと音を立てて壊れ中に一人の男が入ってきた。

セナ「えっ?あの、そのあなた誰?」

シヴァ「これは申し遅れた、私はシヴァだ、黒魔術が使える少女が入学したと聞いて是非見てみたくてね」

ゼノ「近い近い、離れろこの変態野郎が、女が着替えてる時に入ってくる奴があるか!」

シヴァ「しかし君も入っているじゃないか?」

ゼノ「俺は召喚されたんだよ、退けこの野郎」

セナ(なんかもう、変態いるしゼノはちゃっかり大きくなってるし)

セナ「あの、大きい声出しますよ、ここ女子棟だし」

シヴァ「かまわんぞ!私を止められる者はこの学院には居ないからな!」

大きいな笑い声が廊下まで響き周りの部屋の女子が覗きに来てしまった。

ゼノ「人間に俺を止められる訳ないだろ!」

シヴァ「試してみるかい?」

ゼノ「はぁ〜、変態な上に頭がおかしいってやばいぜお前、とにかくセナに近づくな!」

シヴァ「そうかセナというのか、良い名前だ!」

ゼノが本気でキレる寸前で騒ぎを聞きつけた凛が来てシヴァとゼノを引っ張って行った。


第十八話 天使の子

凛「全く何度言っても反省していないみたいですね、シヴァさん!そしてゼノ!」

シヴァ・ゼノ「何にもしてないぜ」

ゼノ「は?」

シヴァ「ん?」

シヴァ・ゼノ「お前はやっただろ」

ゼノ「あぁぁぁぁあ、ムカつくぅ!!」

シヴァ「そう怒るな、凛教官もな!」

シヴァ「そんなことより、凛教官今日こそ私の女にならないか?」

凛「貴方が天使の血を継ぐ子で無ければ今すぐに蹴り殺したい程に嫌です」

ゼノ(こいつやばい、セクハラしまくってやがる、セナには絶対に近づけない様にしよう)

ゼノ「天使の子?なんだそりゃ?」

凛「おや、知らないのですね、天使の子とはその名の通り天使の子供です、ただし人間との間に生まれた子ですが」

ゼノ「天使が人間と子供を作っても異形が生まれるだけだろ、何故あいつは人の形をしているんだ?」

凛「突然変異です、彼の母は13度身篭り13度目の出産で彼が産まれました、彼の母はその後衰弱し今は寝たきりになっている様ですが」

シヴァ「私は、人間の身体に大量の神力と魔力を内包している、故に最強なのだ!」

凛「丁度良いのでゼノ対シヴァで模擬戦でもしてみます?」

凛「模擬戦には景品を賭けて戦うのが絶対条件ですので各々が望む物を私にお伝え下さい」

シヴァ「セナを私の女にする事以外には無い!」

ゼノ「主従の腕輪」

凛「なるほど、どちらも良い物ですが、セナさんに確認してみないといけませんね」

セナ「で呼ばれた訳?」

セナ「分かったわよ、ゼノが負けるとは思えないし、嬉しくはないけど景品になってあげる、そういえばゼノ主従の腕輪って何?」

ゼノ「主従の腕輪っていうのは着けてると相手の状態や位置が分かる腕輪だよ、着けてると楽だろ色々と」

凛「戦闘する場所は少し前にローグと戦った訓練場です、決闘の様な形で戦うので学院中の生徒が観に来ると思いますよ」

シヴァ「それでいつ、始めるのだ?」

凛「準備などがありますので今日の午後に訓練場にて始めます」

ゼノ・シヴァ・セナ「分りました」

その日は学院での全ての授業が無くなり、必然的に午後の決闘を学院中の生徒が観に来ることになった。

景品として椅子に座っているセナに近づく者がいた。

アリス「大変なことになりましたわね、セナさん」

セナ「はい...ところでシヴァさんはどれほど強いのですか?」

アリス「この学院ランキング一位で、他の学院のランカーと戦闘訓練をした時は片腕のみで圧勝していました、私のモノトリスも戦闘モードになった彼の前には立つことは出来ないと言っています」

モノトリス「私はゼノと戦いましたが、今の彼ではシヴァの足元にも及ばないと思います、しかし私は先程ゼノに会って来ましたが彼は勝つそうですよ」

ローグ「俺も賭けに混ぜてくれよ、セナちゃん」

セナ「貴方は、瞬殺されたローグさん」

ローグ「覚え方どうにかしろや!そんなことより俺が賭けるのはシヴァだ、あの人はゼノよりも圧倒的にバケモノだ」

セナ達以外はまるでお祭りの様に騒いでいた。

それもそうであるシヴァに喧嘩を売るなど並大抵の悪魔にはできることではないのだから。

凛「それではそろそろ始めましょうか、両者構えて!」

それまでお祭り騒ぎだったギャラリーは静まり返りセナ達は息を呑むのも躊躇うような気持ちになった。

凛「始め‼︎」

その瞬間空気が凍りついた、比喩ではないシヴァが戦闘形態になったのである。


シヴァ 真名不明

特性 エレメント 火 水 木 土 金 の五個の元素を操ることができる、なお他の天使や悪魔と違い特性に反動や魔力消費は無い


シヴァが最初に使ったのは水の元素だった、元素を操るという事は作り出すという事ではない。

シヴァの特性は世界を形作る能力である水を出すのではなく水の温度を下げる事や上げる事もできると言う事である。

ゼノ(何だこれは、寒いが暑いどういう事だ!?)

シヴァは戦闘形態になると姿形も違う物になる、鎧の様な物が精製され背中から火と水の羽が生えるのだ

ゼノ(さっきまでのどこか抜けてる筋肉野郎じゃねぇ、確かな殺気を感る!?)

ゼノ「バケモノかお前」

ゼノがそう呟いた瞬間ゼノの周りの大気が揺れ爆ぜた。

シヴァ「私は普段戦闘形態になる事は無い、人の姿のままでも充分だからだ、しかしお前は違う本気で相手をしよう」


第二十話 最強vs最凶

シヴァ「何が起こったか分からないか?私の能力で温度が下がった空気を一気に加熱した、結果は爆発だ、あと何発耐えられる?」

ゼノ(まずいな、今のでも意識が飛びそうだ、こんなやつに勝てるのか?)

ゼノ「大した事ないな、こんなもんか最強さんよ!」

シヴァ「そうか、ならせめて一撃で終わらせてやろう...」

セナ(どうしてゼノは動かないの?さっきのも避けられたはずなのに)

ゼノ(まだだ、あと少しあと少しで溜まる!)

その時シヴァの背後が七色に光輝きゼノに向かって爆音と共にその光が直進して行った。

シヴァは振り返り結末を見届ける事なく立ち去ろうとした、後ろではゼノに攻撃が当たったであろうという爆音が鳴っている。

シヴァ「さらばだ哀れな悪魔よ」

その時真後ろで声がした

ゼノ「誰が哀れだって?」

血だらけでまるでぼろ雑巾の様な状態になりながらも立っている

シヴァは初めて自分の全力を受け止める者に出会ったかもしれないと思想を巡らせていると、ゼノの身体が紅く光り始めた。

シヴァ「一体何を増幅する?お前の中にある魔力では私を倒せんぞ!」

ゼノ「うるせぇなぁ!セナが景品になってる試合で勝算も無しに挑むと思うか?」

ゼノ「テメェから受けた攻撃はどこに行くと思う?俺は俺の中にある物を増幅する、つまりテメェから受けたダメージは身体の中で増幅される‼︎」

シヴァ「つまり貴様はわざと受けていたのかあの攻撃を!?」

シヴァ(全力で防御を固めても受け切れないか!?)


続く...

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