白き悪魔と黒き天使

一日一話

プロローグ~十話

プロローグ

昔々のお話、最凶の悪魔ゼノとひょんなことから主従関係を結んだ人間の少女のお話。

昔々人間の世界には天使達と悪魔達が一緒に暮らしていた。

しかし、天使達は神のように崇められ裕福な暮らしをしていたが悪魔達は差別され魔界に戻れない弱い悪魔が仕方なく住んでいるだけだった。


第一話 最凶の悪魔降臨

ある日、セナが街を散歩していると細い道に魔界に通じる魔法陣が描かれているのに気付いた。

魔法陣が起動するには、人間の血が必要で呼び出される悪魔は、その人間の血の価値や性質によって異なる。

セナは幼い時天使達と悪魔達の戦争によって両親を亡くして以来心を許せる相手が居なかったため、呼び出した悪魔となら友達になれると考え、魔法陣に血を流した。

※呼び出された悪魔は基本的に危害を加えられず側に居なければならない。


第二話 最凶と少女邂逅そして

セナが血を流した魔法陣から見たこともないほどの光を放ち天を貫くほどの爆音と共にその悪魔は現た。

???「お前は誰だ、俺は何故人界に居るのだ」

その悪魔は確かな殺意と共にセナに問いかけた。

セナ「私はセナ、あなたを人界に召喚したの」

ゼノ「俺の名はゼノだ、人なら俺の名ぐらい知っているだろう?」

セナ「ゼノ?良い名前ね!でも私はあなたの名前を聞いたことないわよ」

ゼノ「おい人なぜ俺の名も知らぬ、それでも人か?」

セナ「私の名前は人じゃなくてセナ!それよりお願いがあるの」


第三話 初めての友達

ゼノ「このガキは何も知らないのだな、願いも何も俺は言うことを聞かざるおえないのだぞ。(どうせ、俺の使い道など決まっている帝国でも壊してこいと言われるのが良いところだろう)」

セナ「本当!なら私の友達になって!」

ゼノ「は?友達?」

セナ「そうよ、友達になって欲しいの言うことを聞いてくれるんでしょ?」

ゼノ「友達かなれない言葉だな、とりあえずのところはその友達とやらになってやろう」

セナ「やったぁ!」

セナとゼノが友達になったその時路地の奥から何かが近づいてくるのが見えた。

近づいてくるそれは天使の警備隊だった

警備兵1「ラッキーだなこんなとこに悪魔がいるなんて、首を取って飾ろう」

セナ「だめよ、ゼノは私の友達なんだから!」

ゼノ「ガキはどいてろ」

セナを挟んで強大な殺意がぶつかり合った


第四話 正義と悪

次の瞬間ゼノの首に警備兵の剣が食い込んだその時、警備兵の首は胴とお別れしていた。

ゼノ「俺を知らずに飛びかかってくるなんてこのガキよりバカだぜお前ら」

ぶつかっていた殺気は今や一方的にぶつける物に変化していた。


第五話 器と強度

ゼノは驚くほど簡単に警備隊を壊滅させてしまった。

ゼノ「おい、ガキ終わったぞ」

セナ「...」

ゼノが振り返るとセナは気絶してしまっていた。

セナ「ここはどこ?」

???「気づいたか、運ぶの面倒だったぜ、ガキんちょ」

セナ「あなたはだれ?」

???「は?俺はゼノだぞ頭でも打ったか?」

セナ「どうしてそんなにぬいぐるみみたいに小さくてかわいいの?」

ちびゼノ「はぁ?お前が弱いからだよ、俺ら悪魔は召喚者と契約を結ぶ時身体の半分を器として受け取るんだ、お前が弱いせいで俺は一日に5分しか顕現できないんだ」


第六話 契約と縛り

ちびゼノ「まぁ俺はお前とはしっかりとした契約も結べちゃいないがな」

セナ「契約ってどうやるの?」

ちびゼノ「は?お前召喚士じゃないな、お前ひょっとして偶然俺を呼び出したただのガキか?」

セナ「そうかも?」

ちびゼノ(とんでもないとこ来ちまった)

ちびゼノ「契約を結ぶには相手に課す縛りと自分に課す縛りが必要だ、縛りの内容は公平に釣り合うようにしなければならない、例えばお前なら俺と友達になりたいが契約なら俺はお前と友達にならなければならないと言う縛りを受けるそしてお前は俺と友達にならなきゃいけない」


第七話 魔力

ちびゼノの説明は夜が開けるまで続いたが、簡潔にまとめると悪魔との契約には身体の半分を器として差し出さなければならないが、物理的なものではなく血や魔力である事、器の質や強度により使える力に限界がある事。

そして契約には縛りを用いること破ることが出来ない約束を1つ結び内容が召喚者と悪魔両方に平等であること。

ちびゼノ「おっ、そろそろ戻れそうだ、って何寝てんだぁぁあぁ!!!起きろガキんちょ!」

セナ「ふぁぁ、あれゼノ元に戻ってるどうしたの?」

ゼノ「こんの、ガキいつから寝てやがった!!」

セナ「えっと...わかんない」

ゼノ「覚えてすらいないのかよ!」

セナ「あはは、ごめん」

ゼノ「とりあえずお前から貰った器は強度が低すぎる魔力を使えるようにならなきゃな、とりあえず街を案内してみろガキんちょ」


第八話 第六魔術学院

セナ「とりあえず外に出てみたけど何を探すの?」

ゼノ「魔力の強化に使える方法は俺が魔力を取り込み魔力を器に逆流させるか、お前が魔力を増幅する訓練をして、器を成長させるかだ、後者の方がおすすめだがな」

セナ「どうして?」

ゼノ「前者はミスればお前は死ぬ」

セナ「へ?死ぬ?」

ゼノ「そうだ、死ぬ具体的に言うと体が爆散する、特に器の基礎もできてない奴はな、それよりこの街の中央から感じる馬鹿デカイ魔力はなんだ?」

セナ「へ〜、ゼノにも分からないことあるんだ、王都を中心として周りに10個の街があるの」

セナ「それでね、その街には1つの街に1つ魔術学院が置かれているの、それも街の中心に、なんかね、天界に続く入口を守る結界みたいな物なんだって、私は魔術学院とかより普通の学校も言ったことないけど」

ゼノ「そうか、気絶している間に少し記憶を見たからわかるぜ」

ゼノ「そんな事よりだ、お前は今日からそこに通うわけだ、厳しくなるだろうから覚悟しとけよ」

セナ「ワタシカヨウノ?マジュツガクイン?」

ゼノ「そうだ、お前は曲がりなりにも俺を召喚した中に入り私の力を見て欲しいと言えそうすればテストを受けられる」

セナ「遠くから見たことはあるけどまさか中に入る時が来るなんてね」

???「貴方、そこで何をしているの?」

セナ「ふぇ!?あの...わ わたしの力を見て欲しいんです!」

凛「そうですか私の名前は凛この学院の女性教官ですテストが受けたいんですね、着いてきて下さい」


第九話 合格?失格?初めてのテスト

凛「テストは2種目に別れますがまず、セナさんに受けてもらうのは、この水晶に触れてもらうことです」 セナと凛の前には中に浮く3メートルはある水晶があった。

セナは恐る恐るその水晶に凛「こ これは!?水晶が黒く光るなんて、貴方が召喚したのは悪魔ですか?」

セナ「はい、あの悪魔って召喚しちゃいけないんですか?」

凛「いや、駄目ではありませんが常人なら精神が崩壊したら受肉されてしまい消えてしまうのです」

凛「詳しくは後で聞くことにします、次のテストは召喚した天使をこの学院に居るランキング5位以内の天使と戦わせる事だけどあなたは悪魔だったわね、ちょうど近くにランキング5位の天使ローグが居ますのでローグに手伝ってもらいましょう」


第十話 勝つ事と克事

ローグ「へー、こいつらが入学希望者か、てかいい加減出てこいよ隠れてるつもりか悪魔さんよぉ」

セナ「ゼノあいつ倒せるの?」

ゼノが聞いたセナの声は少し震えてるようだった。

ゼノがセナの影から出てくる。

凛「これが、セナさんの召喚した悪魔!?」(本人より圧倒的な魔力と格を感じる横に立っているだけで意識が飛びそう)

ローグ「何もおしゃべりしに来た訳じゃないんだ、凛ちゃん早く始めちゃって」

ゼノ「セナ心配するな、直ぐに終わる本当に直ぐに」

セナ「えっ、私の名前初めて...」

凛「これよりセナ・ゼノの最終試験を開始します」

ただローグがいる場所に直進したゼノに対しローグは一瞬で間合いを詰め顔面に拳を叩き込もうとした、そこまではセナと凛にも見えた、しかしその直後ローグは後方に吹き飛んでいた。

セナ・凛「えっ!?」

ゼノ「お前は、自分より弱い天使に勝ってきたかもしれないが、自分の弱さに克って来てはいないだから遅いしわかり易い、そんな奴名前を呼ぶ価値すらない」

凛「信じられない事ですが、セナさん今日からよろしくお願いします」

セナ「ワタシ、ゴウカク?」

凛「はい、そうです」

セナ「やったぁ!合格したよゼノ!」

ちびゼノ「良かったな、それより凛とか言ったなお前早くあの天使を医務室にでも運んでやれよ」

凛「あ はい、そうでしたねセナさんはこの後寮の部屋までお送りしますので」


続く

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