第11話―リア充は遊びに多くを費やする4―

「……もう夜になってしまっている」


見るに耐えずに直情径行ちょくじょうけいこうのまま散らかっている居室をキレイしてやった。

賊が荒れしたようなリビングは、本来に纏われるべき和と洋を調和とした雰囲気が戻ってきた。割合的にいえば和の要素が多くとおさめている。


「えぇー、今になって気づいたの。意外と疎いところがあるよねクノヘって」


「疎くて悪かったな。んなことより、シャワーにでも浴びておけ。ゆっくりにしている間に俺は料理を馳走してやる」


「そうだった、そうだった。

たしか振る舞う約束だったよね。うん、お言葉に甘えさせてもらおうかな」


なにが愉快そうにしているのか奴は手を振って微笑んで言った。この厚かましいさにな思うところあるがスルーしよう。

廊下に出ようとドアに向かう。


「そうだ。食べれないものはあるか?

アレルギーとか、それに使っていけない食材を事前に教えてくれないか」


面倒くさいことであるが細かいことを尋ねないとならない。冷蔵庫やアレルギーなど禁断の食卓に並べると後々に恨まれる可能性はある。

上半身を軽くとひねり振り返る。


「基本的に何でも食べれる。それとアレルギーの心配はないからオーケ!」

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