第2話 El que quiera pescado que se moje el culo

「夢も希望もない異世界カレーね」


 ぐびっと酒(梅酒)を飲む妻を横目に、さてどうするかと考える。このグルメ企画に命(=小宇宙こすも)を燃やしている私としては、あと一作品投稿して、カクヨム鳥のブックカバーをもらいたい。


 ……


 受賞はもう既に関係ない。投稿(=カクヨム鳥のブックカバー)することに意味がある。まあ、関係なくはないのだが、メニュー化は、楽しい異世界グルメと相場が決まっている。だが、私は異世界グルメより現実にこだわりたい。


 ……


 うーん。


 何にも思い浮かばない。


 ぶっちゃけ、「仕事に追われる異世界(悪夢)カレー」で投稿してもいいような気がしてきた。意外と、イカ墨カレーみたいな感じで、うまい具合にメニュー化してもらえるかも(^^)v


 だが。


 それでは、私の気がおさまらない。


 それは――逃げだ。勝負するのはあくまで現実社会。世知辛い現実社会の絶望を光に変えることこそ価値があり、そのキーアイテムがグルメなんだ。


 よし。


 こんなカッコいいこと書いても、全然思い浮かばないから、まずは私(作者)も酒を飲んで考えよう。


 と。

 思ったのだが――


「お酒は止めた方がいいんじゃない」


 こんな心配をされる。


 そう。

 私は花粉症。

 だが。

 欲望には抗えない。

 飲みたいし、飲もう。人が飲んでる姿を見ると飲みたくなるのが、人情というもの(^^)v


 ボーン、ボーン、ボ―――ン。


 1時間後――


 へっくし、へっくし、へ――っくし!


 花粉症にアルコールは厳禁。ちーん。


 ああ~、素直に忠告を聞いてれば……。激しく後悔。やっちまった……。妻の白けた目と、自業自得ねが突き刺さる……。


 しっかし、この花粉症の時期は本当に困っている。毎年、いや~な季節の到来だ。


 スギの野郎……! 日本中生え過ぎだろ。


 目がっ! 目がっ! 目があああああ―――!(MすK)


 だし。

 酒も飲めないし。

 酒を飲む=おつまみを食べる=晩酌、という喜びを享受することもできない。


 早く桜が咲く春がこないかなあとしみじみ思ってしまう。


 は~あ。


 このため息……


 恋わずらい、かしら……


 だが、ここでふと思いつく。


 ……待てよ。


 もしかして……。 


 ビコーンとここで天啓が。まさに脳天直撃。強炭酸を一気飲みしたぐらいの衝撃が電流となり、体中を駆け巡る!


 国民病とも呼ばれる花粉症に苦しむ方は大勢いる。しかも、スギだけじゃなくて、ブタクサにも苦しむ方が。

 そして、なによりも花粉症のせいで、泣く泣く酒を断っている方も大勢いるんだ。


 つまり――


 酒(アルコール)を飲まずに、食べられる「おつまみ」が、今の時期、時代に求められているのだ!(私に)



 こうなったら、やってやるぜ。


 異世界グルメえ~?


 ノンノンよ。


 いつだって、大事なのは現実社会。


 見せてやる。


 私の現実グルメを。



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