2/3の命
今日、私は人生の2/3を過ごした。
もちろんこんな言い方をしないのは知っている。
今日で〇✖歳になった。その方が一般的だ。ただ、この一般的な表現に何か意味を見い出せるだろうか?
私は疑問に感じた。
今日は別の表現から、今日を感じたいと思った。
私の2/3はもう終わった。もう過去のものである。残り1/3が未来である。まだこの1/3は何にもなっていない。血肉はもちろん意識も出来ない。ただ、完全に目の前に広がっている。
そして、一瞬一瞬わずかではあるが、この未踏の平野に足を進めているのである。
どこに向かっているのだろうか?
どんな場所だろうか、さらに進んだ場所は今とは何が違うのだろうか?
全くわからない。ただ可能性だけが折り重なり私の到来を待っている。
そして、過去はなんであろうか?
出発してから長い長い月日を歩み通した道のり、そこはもう戻ることのできない場所である。もはや生き物も、いかなる息吹も潤いもない不毛の地
しかし、なぜなら私は、そこからあらゆる栄養を私は奪い去ったのだ!
あらゆる経験を積み過去の全てを体験した。だからもう戻る必要はない。
自信を持って今を前進しなければならない。
2/3の過去の集大成が今の私なのだ。
ああ、2/3の過去の成果と、1/3の可能性をつなぐただ一点の鎖
今の私は素晴らしく貴重な一瞬を生きている。
ショート作品集 @kuwagatasann
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ショート作品集の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます