私たちはどこから来たのか
暗く冷たく漂う感覚
ここは太古の昔とも、そうとも言えない場所
詳しいことはわからないし、知ることもない。
私は冷たく広がる空間を見渡す。どもまでも暗く深い。
しかし、ある瞬間に光る一点があることに気が付いた。
それは、あまりに遠くにあるのか、距離感がわからない。
それほど、離れていないようにも見える。
他に見えるものもないので、私はその一点に注目することにした。
淡く光るように見えているが、力強く光っている。
よく見ると、光は揺らいでいるようにも見える。しかし、それが揺らぎではなく光の動きであることを認めるまでに、それほど時間は掛からなかった。
その光の点は、一つではなくどうやら複数の光の集合であるようであった。
青に黄、赤綺麗な色は際限なく、この世の色がすべて集まっているようである。
私はさらにこの綺麗な光に注目する。
それほどに、この光以外には見るべきものがない、この空間で唯一私の気持ちを慰めてくれるものであった。
その光の粒にも、色のほかに、形にも違いがあることがわかってきた。それは単なる円や球ではなく、楕円に棒、中には渦巻のような形のものもある。
私の視界は、完全にそれらの光に奪われていた。
あまりに眩しいその光に、もう周りのなにも見るべきもののない空間は、見えなくなった。
周囲には銀河と呼ばれる様々な色や形を持った星々が煌めいていた。
そのうちの一つの銀河に僕は注目した。
美しく巨大な銀河の中心部は、あまりに眩く活発で僕にとっては心を落ちける場所では無かった。
そのため、僕は銀河の辺境へ向かうことにした。
徐々に周囲の光が収まるに従い、大小さまざまな星々が、銀河の中にもあることに僕は気が付いた。
銀河にも個性があったが、星々にもそれと同じように色や大きさ様々であった。
明るい大きな星もあれば、暗く小さな星もある。まさに、銀河の個性は、この星々の個性の集合なのである。
ああぁ、あの青い星はなんだろうか?
僕はある恒星に付き従う星に強く惹かれた。
どうやら、そこには他の星にはないものが多くあるようだ。
僕はその星に、完全に意識を奪われてもうどんな星々も銀河も目に入らなくなった。
初めて僕は疲れを覚えて、随分と時間が経過していることを知った。
少し眠ることにしようと思う。
今度、目が覚めるときはこの星でありますように…
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