#4「Road to Smile」


ニコニコ:https://www.nicovideo.jp/watch/sm17198285


作詞:おれんじ

作曲:おれんじ

編曲:おれんじ

歌唱:初音ミク


 今回紹介したい楽曲はこちら『Road to Smile』だ。製作者のおれんじは、クールなギターサウンドを中心としたVOCAROCK系統の楽曲を主に制作しているボカロPだ。『枷 -Kase-』や『妄想オートフィリア』など、ダークな雰囲気とエレキギターのクールなサウンドに定評がある。

 そして、おれんじの代表曲と言っても過言ではないのが『Road to Smile』であろう。この楽曲は「2012年初音ミクGTプロジェクト」のテーマソングに選出されている。ここで「初音ミクGTプロジェクト」について触れておきたい。

 「初音ミクGTプロジェクト」とは、「ファンと共に走るレーシングチーム」をコンセプトに掲げたモータースポーツプロジェクトであり、このプロジェクトの中心として活躍しているチーム、「グッドスマイルレーシング」は、初音ミクのラッピングを施したレーシングマシン(いわゆる“痛車”)で日本最高峰の自動車レース、SUPER GTに参戦をしている。2008年から現在に至るまで参戦を続けており、3度のチャンピオン獲得などの実績を残している。また、チームの特徴として初音ミクレーシングver、通称「レーシングミク」のマシンで戦うということ、ファンがスポンサーとしてチームの支援を行う「個人スポンサー制度」の導入などが挙げられる。筆者も少額ながら、個人スポンサーとして支援を行っている。詳しくはチーム公式サイトを覗いてほしい。(リンク:https://www.goodsmileracing.com/team/)

 さて、このGTプロジェクトだが、年度によってテーマソングが制作されており、ときには公募によって決めるコンテストを行うこともある。2012年度はコンテストが行われた年であり、その最優秀賞に選ばれたのが『Road to Smile』であった。2019年を最後にコンテストは行われていないが、テーマソング自体は制作されており、現在はDIVELAの『Burning‼』がテーマとなっている。

 楽曲の話に移りたい。クールでダークな曲調に定評のあるおれんじだが、この『Road to Smile』はかなり明るい曲調となっている。明るい中でもギターサウンドは健在で、VOCAROCKの王道ともいえるカッコよさが光る。真夏のサーキットを思わせるような熱い曲調に思わず体が動いてしまう。

 歌詞にもレースを彷彿させるフレーズが散りばめられており、


「高鳴っていく鼓動は

 グリーンが忘れさせる」

「アクセルは全開でしょ?

 だからもっともっとスピードあげて」

「白と黒の先に待っている未来 手に入れるまで

 止まらないと誓うよ」


 軽く補足しておくが、「グリーン(グリーンシグナル)」とはレース開始を表す信号のこと、「白と黒(チェッカーフラッグ)」はレースでゴールすることを表す言葉である。このようにところどころにレースを思わせる言葉が使われており、レース好きにはたまらない歌詞となっている。

 最後にサビの歌詞も触れておきたい。


「SMILE! 笑顔乗せて

 SMILE! みんな手をつないで

 SMILE! 走り出せる

 誰よりも遠くへ」


 「笑顔乗せて」「みんな手をつないで」という部分からは「ファンと共に走るレーシングチーム」というチームのコンセプトを感じることができる。サビではないが、「一人じゃないから 一緒に行こうよ」というフレーズも歌詞に綴られている。『Road to Smile』という曲は、ファンと共に走り続けるグッドスマイルレーシングとレーシングミクにふさわしい一曲ではないだろうか。

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