第4話 新たな時代

その一言を聞いた人々の反応はもはや言葉で、表すことすら難しかった。

ある者は驚きのあまり絶句し、またある者は大きな歓声をあげた。さらには怒り狂う人や涙を流す人すらもいた。それは官邸のどころの話ではなかった。


デモ隊

「遂にやったぞ!これからは俺たち若者の時代だ。」

「長かった、、、ここまで、、天国で見てるか兄貴俺たちやったぞ!」

「これで俺れらは"日本人"ではない。これからは"東京人"だ。もう、あいつら地方の奴らとは違う、誇り高き"東京人"だ!」

「うぉーーー、、、やったぞーー、、、我らのリーダー、北上閣下に万歳!」


作戦本部

「おい、見たか!権力の犬どもが日本を解体すると宣言しやがった!俺たちの大勝利だ!、、なんだ?嬉しくないのか。」


「勿論、この勝利を祝うべきだ。だがそれ以上に武者震いがする。」


「武者震い?」


「あぁ、確かにこれで平和で安定した旧時代が終わった。、、これからは嵐のような激動の時代が始まる。そう考えるとまだ俺たちが行ったことは所詮始まりにすぎない。もう、この地点から始まるんだよ。多くの都道府県の政府に対する不満が、嫉妬が、怒りが暴力へと変わるんだ。よしそうと決まれば、俺たちも早速今後のために行動に移すぞ。」



機動部隊

「そんな、、、俺たちが懸命に命をかけて抵抗した意味はなんだったんだよ。」

「国のために死んでいった仲間を、そして俺たちも見捨てるのか。」

「くそ、ならせめて俺らだけでも、、、、」

「お前達、一体何を言っているんだ」

「隊長、、、、」

「まさかとは思うがお前達政府に反旗を翻すつもりなのか。」

「しかし、隊長!こんな結果到底認められません。未だに機動部隊は健在。さらに全国から集めれば、特殊武器を持った精鋭およそ5万人規模の兵力さえ有ればこの首都を抑えることも可能です。」


「"お前達は本当に馬鹿なやつらだな"!

そんな事をして何になる。お前らはこの東京をもう一回戦場にするつもりか。先月の被害だけじゃ済まなくなるぞ。」


「ですが、これでは我々が、、、」


「ですががなんだ。あ?俺たち機動部隊はこの日本を守るために人々を救うための政府直属部隊だ。政府がそういうなら従うしかない。わかったか!」


「、、、、、、」


「あと、もう一つ連絡がある。先程無線が入ったのだがこれにより我ら機動部隊は解散とする。」


「ちょっと待ってください!なんで、解散しなければならないんですか。」


「どうやら、政府とデモ隊との間で秘密協定があったらしくその項目の一つが我が部隊の解散らしい。」


「くそ、なんで!、、、、なんで、、」


「お前達の気持ちは良くわかる。だが、頼む。政府の命令には従わなければならないんだ。、、、よって只今よりこの東京第一機動部隊は解散とする」

そう言い終わると、みんな下を見ながら武器や防具を捨てバリケードを撤収し始めた。涙を流しながらしている人もいた。

そして、

「すまん、俺はこの後少し用があるから後は副官お前に任せる。、、」

そういうと足早に去っていった。俺はただ下を見ることしかできなかった。この現実を受け入れたくなかった。そして、少し周りを見てみると皆俯いていた。それを見た時俺の胸が燃えるような感覚がした。たくさんの部下を失い、可愛がってきた新人も意識不明、俺たちは政府のために忠誠を誓ったのにあいつらは俺達のことを利用してそして価値がなくなった瞬間捨てやがった。


このままで、、、、、、、、、

このまままで、、、、、、、

良いはずがないだろ!


「おいお前ら!」

「、、、、、、はい。」

「お前達はこのまま終わってもいいのか」

「、、、、、いえ、、、、いえ、終わりたくありません!副官!」

「まだ戦えるか?」

「勿論、いつでもいけます。そうだろ、みんな!」

(そうだそうだ。こんな終わり方してたまるか。奴らに復讐してやる)

「ならば、これより副官命令を出す。まだ戦う意志のある者は武器を捨てるな。もし隊長に従うつもりなら別に逃げても構わない。」


「副官。ここに戦いたくない奴らなんていませんよ。どうかご命令を!"新隊長"!」


「ならば、ここで全機動部隊に命令を出す。全国各地にいる機動部隊は即時に東京に集結。そこで再び組織を再編したのち行動に移す。時間はかかるかもしれない。険しい道のりかもしれない。また多くの人が亡くなるかもしれない。だが、我々は古き平和で安定した時代を取り戻すべく只今より旧政府から独立し、ここに反乱軍(デモ隊)、そして旧政府に対する抵抗組織の結成を宣言する!!」


「オォーーーーーーーー!!!!!!」


その時の拳は綺麗な青空の下高々と上がっていた。

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