第5話

「ねぇ。1年の藍野でしょ。俺に恋して見ない?」

私はとにかく戸惑った。その戸惑いを隠せないままに私は言った。

 「え?」

すると、意味を詳しく教えてくれた。

 「俺ね。お前の使い魔なの。お前の一族は魔術師の一族なの。魔術師の中でも強い一族何だけど魔術を使える様にするのには、一つだけ条件があって。それが、初恋を経験すること。普通小学生とか中学生の間に初恋をして魔術の条件が解除されるんだけど、お前はまだだから、上級使い魔の俺が直々に恋をしろって言いに来たわけ。」

一気に色んな情報が入ってきて訳が分からず、また私は、

 「え?」

っと言った。その質問になっていない質問に

 「まぁ。詳しいことはあとから、お母さんなら色々知ってるだろうし。」

と使い魔(?)は答えた。すると駅にバスが着いた。私はバスに乗り椅子に座ろうとすると、隣にあいつがいた。私はぎょっとして、

 「なんでここまで一緒なの?」

と聞くと。

 「家まで付いて行くから。」

と謎の宣言をして、ズケズケと隣に座ってきた。そんな無神経な行動に私は腹を立てていたのに、さらにそこで、

 「照れてるの〜。あーそっか初恋もしたことないおこちゃまだもんね〜。」

と言ってきてさらに腹が立ち、「は?」と大きい声で言おうと思ったがここはバスの中だ。いままでの会話ですでに近くの人はチラチラこちらを見ている。大きい声を出すのは目立ち過ぎる。なので静かに肘鉄をしてやった。「ヴグッッ」という声が聞こえたような気がしたけど気の所為だ。使い魔あいつを無視してスマホをいじっていると家の最寄り駅に着いた。あいつは付いて行くという宣言通り私が降りようとすると一緒に降りて来た。バス停から3分ほど歩けば家に着く。家に入るとお母さんが驚いたらしく目を見開いた。まぁあいつがいるから仕方無いけど。

 「おかえり。珍しいお客様ね。」

 「どうも、上級使い魔の伏見ふしみです。娘さんの使い魔になりました。」

今までとは違った態度でお母さんと話している。っていうか本名(?)ふしみっていうんか。

 「あら。あの“伏見ふしみ”様が?」

 「はい。そうです。」

 「うちの心結が何かしたかしら。」

いや。迷惑かけた前提で話さないでよ。そんな魔術がどうとか知らなかったんだもん。仕方無いでしょ。

 「実はまだ条件を解除出来てないので。お母様の方から説明をしてくれないかと思いまして。」

 「分かりました。ですが、説明を手伝ってくれないかしら。」

 「出来ることであれば…。」

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実は魔術師だったので使い魔と恋愛します! のん @non108

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