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 その日ののはらの服装はデニムの上着に、白いスカートだった。

 頭には大きめの白い帽子をかぶっている。

 足元は白いサンダル。

 のはらはさなぎを待っている間、森の風景をぼんやりと眺めていたようで、やってきたさなぎとみらいにその背中を向けていた。

 そんなのはらの後ろ姿を見て、さなぎは夢の中で見たのぞみさんにそっくりだと思った。

「あ、こんにちは、さなぎちゃん。それからみらいも来たんだ」

 とこちらを振り返ったのはらはにっこりと笑ってそう言った。

「うん。私もお邪魔することにした。いい?」

 みらいは言う。

「もちろん」

 のはらは言った。

 みらいは今日、緑のシャツ(緑はみらいの一番好きな色だった)にデニムのミニスカートをはいている。

 足元はスニーカー。

 さなぎは最近気に入ってよく着ているデニムのオーバーオールを今日も着ていた。お腹のところにある大きなポケットの中には妖精さんがいる。(どうやら妖精さんはその場所が気に入っているようだった)

 頭にはいつもの麦わら帽子をかぶっている。

 合流した三人は木原家に行くために森の中を歩き始めた。

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