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みらいお姉ちゃんは初めのころは、よくさなぎと一緒に木原家に遊びに行っていたのだけど、最近はのはらと二人で町に遊びに行くことが多いようで、木原家にはあまり行ったりはしていないようだった。
「のぞみさんとも久しぶりにお話がしたいしね」
とふふっと笑ってみらいお姉ちゃんは言った。
「うん。わかった」
とさなぎは言った。
それからさなぎはなんとなくふと、家のリビングにかけているカレンダーに目を向けた。
そのカレンダーにはいくつかの日に、手書きの文字で、カレーの日、とか、お出かけの日、とか、外食の日、とかお休みの日とか、書かれているのだけど(書いているのはお姉ちゃんだった)その中で赤丸の付いている日があった。
その赤丸の付いている日は、『さやかお母さんが家に帰ってくる日』のことだった。
さなぎとみらいのお母さんである木登さやか(旧姓海原さやか)は、お仕事の関係で、数ヶ月の間、ずっと家をあけていた。(海外に仕事に行っているのだ)
そういうことはたびたびあって、その間、家のことはみらいお姉ちゃんがお父さんを手伝いながら、面倒を見ていた。
「そろそろ、お母さんが帰ってくるね」
とカレンダーを見ているさなぎを見て、みらいお姉ちゃんが言った。
「うん。待ち遠しい」
とにっこりと笑ってさなぎは言った。
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