63
「ただいま」
そう言ってさなぎは木登家に戻ってきた。
「おかえり。向こうはどうだった? 楽しかった?」
居間にあるソファーに座って、テレビをつけっぱなしにしながら、夏休みの宿題をしているみらいが帰ってきたさなぎにそう聞いた。
「うん。楽しかったよ」
さなぎは言う。
「晩ごはん。できてるよ。食べる?」
うーんと背伸びをしながらみらいがいう。
「うん。食べる。今日の晩ごはんはなに? お姉ちゃん」
「ハンバーグ。それからお味噌汁も作っておいた」
にっこりと笑って、みらいは言う。
その言葉を聞いてさなぎはとても喜んだ。(ハンバーグはさなぎの大好物だった)
「妖精さん、妖精さん、起きて」
さなぎは自分の服のポケットを覗き込みながらいう。
『……うん? あれ、さなぎちゃん。おはようございます。えっとここはどこですか?』目を覚ました妖精さんが言う。
「お父さん、もう少ししたら帰ってくるって」
「まだ学校にいるの?」
手を洗いながらさなぎは言う。
「うん。お仕事もうすぐ終わるって」
てきぱきとキッチンで晩ごはんの準備をしながらみらいはいう。
手を洗い終わったさなぎはそんなみらいお姉ちゃんのお手伝いをする。
手慣れた動きで、二人は晩ごはんの準備を整えた。
テーブルの上にはハンバーグと白いごはん。それからお味噌汁に飲み物のミルクコーヒーが用意されている。
「美味しそう」
目を輝かせてさなぎがいう。
「それはどうもありがとう」と白いエプロン姿のみらいはいう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます