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「ただいま」

 そう言ってさなぎは木登家に戻ってきた。

「おかえり。向こうはどうだった? 楽しかった?」

 居間にあるソファーに座って、テレビをつけっぱなしにしながら、夏休みの宿題をしているみらいが帰ってきたさなぎにそう聞いた。

「うん。楽しかったよ」

 さなぎは言う。

「晩ごはん。できてるよ。食べる?」

 うーんと背伸びをしながらみらいがいう。

「うん。食べる。今日の晩ごはんはなに? お姉ちゃん」

「ハンバーグ。それからお味噌汁も作っておいた」

 にっこりと笑って、みらいは言う。

 その言葉を聞いてさなぎはとても喜んだ。(ハンバーグはさなぎの大好物だった)

「妖精さん、妖精さん、起きて」

 さなぎは自分の服のポケットを覗き込みながらいう。

『……うん? あれ、さなぎちゃん。おはようございます。えっとここはどこですか?』目を覚ました妖精さんが言う。

「お父さん、もう少ししたら帰ってくるって」

「まだ学校にいるの?」

 手を洗いながらさなぎは言う。

「うん。お仕事もうすぐ終わるって」

 てきぱきとキッチンで晩ごはんの準備をしながらみらいはいう。

 手を洗い終わったさなぎはそんなみらいお姉ちゃんのお手伝いをする。

 手慣れた動きで、二人は晩ごはんの準備を整えた。

 テーブルの上にはハンバーグと白いごはん。それからお味噌汁に飲み物のミルクコーヒーが用意されている。

「美味しそう」

 目を輝かせてさなぎがいう。

「それはどうもありがとう」と白いエプロン姿のみらいはいう。

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