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 今日、のはらは青色のミニスカートを履いている。

 縁側から下ろしたのはらの白い足が小さく左右に揺れている。

「ここにいます」

 そう言って、さなぎは自分の頭の上を指さした。

 さなぎはいつもかぶっている麦わら帽子を脱いで、縁側の床の上に置いている。その髪はいつものようにポニーテールにして、頭の後ろでまとめている。

「どこどこ?」

 そう言ってのはらはさなぎの頭の上を覗き込むようにしてみる。

 そこには確かに妖精さんがいる。

 妖精さんはのはらにじっと見られて『なんだか、ちょっと恥ずかしいです』と言いながら、その頬をぽっと赤く染めている。(それでも動かないでその場所でじっとしていた)

「うーん」目を細めながらのはらはいう。

 さなぎはじっと(そんなのはらの邪魔をしないように)まるで人形のように、動かないでいた。

「見えますか?」さなぎがいう。

「見えない」

 さなぎを見て、のはらは言った。

「うーん。残念。どうして私には見えないんだろう。妖精さんのこと。さなぎちゃんの友達なら、絶対に私だって、妖精さんと友達になれると思うんだけどな……」と本当に残念そうな顔をしながらのはらは言った。(そののはらの言葉を聞いて、本当にどうしてだろう? とさなぎは疑問に思った)

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