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「お姉ちゃん、どうかしたの?」

 と顔を赤くしてさなぎは言った。

「ううん。別になんでもないよ」とさなぎを抱きしめながらみらいは言った。

『まあ、だいたんですね。ふふ。どきどき、どきどき』

 抱きしめられて照れているさなぎを見て、面白がっている妖精さんがいう。

「そっか。そうだよね。友達だもんね。さなぎの友達。なら私ものはらのこと。好きにならなくちゃいけないね」

 とみらいは言った。

「みらいお姉ちゃんはのはらさんのこと、好きじゃないの?」さなぎはいう。

「……本音を言うとね。嫌いってわけじゃないけど、ちょっとだけ苦手かな」とみらいは言う。

「どうして? のはらさんすごく優しいよ。それにすごく綺麗だよ」

 悲しそうな声でさなぎは言う。

「うん。たしかにすごく優しそうで、すごく綺麗な子だった。自分に自信があって、自立していて、面倒見がよくて、明るそうで、友達になったらすごく楽しそうだなって、思った」

 うさぎの顔の形をしたお風呂用の椅子に座りながら、みらいは言う。

「そうでしょ? ならどうして?」さなぎは言う。

「どうしてだろう? 私にもよくわかんない。なんとなく、かな?」

 くすっと笑いながら、みらいは言った。

「でも大丈夫。さっき言ったみたいにちゃんとのはらのこと、私も好きになるから」とみらいは言う。

「本当?」さなぎは言う。

「もちろん。本当」と自分を見ているさなぎの鼻の先にある泡を指で落としながら、みらいは言った。

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