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「それで次は」
と、とくにそれ以上なにをするわけでもなくて、のはらは居間をあとにする。(さなぎはもう少し居間を見ていたかったのだけど、のはらのあとについて移動をすることにした)
のはらが次にさなぎに見せてくれたのはお勝手(台所)だった。
お勝手は居間の奥のところにあって、とても古いお勝手だった。(さなぎの見たこともないような、少し古い形をした台所の道具がいっぱいあった。
冷蔵庫も古くて小さい。
電子レンジもそうだし、炊飯器もそうだった。どこか、一つ前の時代の台所を見ているような気持ちにさなぎはなった。
流し台のところには上にレースのカーテンのようなものがあった。
火がつくタイプのコンロの上にはヤカンがのっている。(その近くにはポットが置いてあった)
お勝手の電気を紐を引っ張ってつけてから、「どう? 私の家のお勝手は?」とのはらは言った。
「とても素敵だと思います」
とにっこりと笑って(自分の本当の気持ちを)さなぎは言う。
その言葉を聞いてのはら嬉しそうに笑った。
「ありがとう。でも、どうかな? 少しさなぎちゃんから見ると古くて不便に感じるんじゃない? コンロも電気じゃないし、冷蔵庫も電子レンジも炊飯器もずっと古い形のものだし、包丁だって、慣れないとすぐ指を切っちゃうくらいだし」とのはらは言った。
「そんなことないですよ。私、この台所でのはらさんと一緒に料理とかしてみたいです」とさなぎは言った。
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