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「のはら、さなぎちゃんがきてくれているのにごめんね。ちょっとだけ手伝って」
のぞみさんのそんな声が家の奥から聞こえてきた。
「はーい。さなぎちゃん。ちょっとここで待っていてね」
そう言って、のはらは家の奥の闇の中に消えていった。(「わかりました」とさなぎは言った)
それからいなくなったのはらの代わりのように、妖精さんがさなぎのところに戻ってきた。
「妖精さん、どこにいっていたの?」
そんなことを小さな声でさなぎは言った。
ふわふわと空中を浮かびながら移動をしている妖精さんは、さなぎ頭の上に乗ると、『さなぎちゃんが寝ちゃったので、ちょっとだけこのおうちの中を一人で探検していました』とふふっと笑いながら(一息つくようにして)さなぎに言った。(どうやら長い間、一人で空を飛んで移動していたので、妖精さんはちょっと疲れているようだった)
「探検?」とさなぎは言った。
『はい。探検です。この家にはとてもおもしろいものがたくさんありましたよ』と妖精さんはさなぎに言った。
「おもしろいもの?」
『はい。すごく楽しかったです。今度はさなぎちゃんも一緒に探検しましょう』と妖精さんは言った。
それから具体的にお話を聞くと、妖精さんの言っているおもしろいものとは、この家の古い家の作りとか、いろいろな家具とか、置いてあるものとか、洋服とか、本棚の中にしまってある珍しい本とか、そう言ったものたちのようだった。(そのお話を聞いてさなぎも、自分ものはらの家の中をこっそりと探検してみたいと思った)
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