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 そんなお話をさなぎがしていると、(妖精さんのことだけは秘密にしていた)のはらが、「そうなんだ。じゃあ、私がさなぎちゃんのこの町での初めての友達だね」と言って、にっこりと笑ってさなぎに言った。

 その言葉を聞いてさなぎは本当に嬉しそうな顔をして、「……はい」とのはらを見て、そう言った。(それは嘘ではなかった。正確に言えば妖精さんがさなぎにとってこの町に引っ越しをしてきて初めてできた友達なのだけど、妖精さんはさなぎにしか見えない秘密の友達であり、人間の友達はのはらが初めてだった) 

 さなぎはそこで、ふと、あれ、そういえば妖精さんはどこにいったのだろう? とそんなことを疑問に思った。

 見ると、さなぎが起きてから近くに妖精さんの姿はなかった。(妖精さんはずっとさなぎの近くにいてくれたから、自分の近くに妖精さんがいないことに気がつくのに、時間がかかってしまったのだ)

 起きて言えるときも、寝ているときもずっと一緒だったし(一緒のベットの中で寝ていた)妖精さんは必ず、さなぎの目の届く範囲のどこかにいてくれた。

 でも、そんな妖精さんの姿が今はどこにも見えなかった。

 ……妖精さんはどこにいったのだろう? とそんなことを思いながら、きょろきょろとさなぎが周囲の風景に目を向けていると、のはらの家の縁側の曲がり角のところから、ふわふわと白い雪のような妖精さんが、薄暗い闇の中から、空中を飛んで、さなぎとのはらのいる日の日差しが差し込んでいる縁側のところにまで戻ってくるのが見えた。(そんな妖精さんを見て、さなぎはとても安心した)

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