16
時計を見ると、時刻は三時になっていた。
どうやらさなぎは一時間くらい、この場所で居眠りをしてしまったようだった。
その間、のはらはさなぎの寝顔を見ながら、さなぎが起きるのを待ってくれていたらしい。(でも、あんまりにも、さなぎが起きてこないから、仕方なくのはらはさなぎを起こすことにしたようだった)
「さなぎちゃん。スイカ食べよう」
とのはらがお皿の上に置かれている三角形の形に切られているスカイをさなぎの座っている前の縁側の床の上に置いてくれた。
「ありがとうございます」
そう言って、さなぎはのはらの切ってくれたスイカを手に取って、それを一口食べた。
「美味しい」
目を大きくしてさなぎは言った。
「それはそれは、どうもありがとう」にっこりと笑ってのはらは言った。
それからのはらはお皿の上に乗っているスイカを自分も一つ手に取って、それを一口、食べる。(しゃっく、という気持ちのいい音がした)
「うん。我ながら、美味しい」
とのはらは言った。
それからのはらは縁側に腰掛けながら、じっと遠くの青色の空を見つめる。
そののはらの横顔は、とても綺麗だった。(その風景を最近、お父さんに買ってもらったまだ真っ白なままのスケッチブックの中にクレヨンで描きたい、とさなぎが思うくらいに綺麗だった)
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