第40話 長引く会議以降
いわゆる黒島の言う、残りの一割の場合を想定して、その対策を
練る場合、まず皆で現在の世界情勢から、どういう方向に世界が
向かい、日本がより良く生き残るためには、日本はどうすれば
いいかというところまで、話は舞い戻った。
やはり日本はこのまま連合国として、連合国が勝利するのが
当然よく、枢軸国とそれに間接的に味方する国を、打ち負かす
のがいいということになる。
枢軸国はイタリアが敗戦し、ドイツも先のノルマンディー作戦や、
フランス解放更には、自由フランス軍を率いてパリ解放のパレード
を行った、シャルル・ド・ゴールによる活躍にもより、後はソ連、
イギリスによって、そのうちに敗北は免れないはずであり、
それは日本が、殊更これ以上加担することなく、出来る訳で、
日本の直接脅威は中国とアメリカであり、それに事実上加担する、
オーストラリアでの存在もあった。
中国とアメリカを同時に相手する、二正面作戦は得策でなく、
どちらかを叩くことであったが、まだ中国は内戦状態にあり
このまま続けば、軍事力、経済力は放っておいても弱体化
するため、アメリカに焦点は絞られるが、アメリカを
叩けば、オーストラリアも中立の立場から連合国に
復帰するため、やはり中国が内戦状態のうちに、アメリカを
攻撃するのがいいとの話になり、アメリカ艦隊を撃滅してでも、
政権をフーヴァー旗下に戻す手助けをするべきだ、との結論に
達した。
後は、攻撃か受けか、攻撃するならいつどこを攻撃するべきか、
ということになった。
中国の内戦はあと2,3か月以上は続くとみられ、その間に
アメリカ軍が攻めてくるのを、待ちそれでも攻めてこない
なら、こちらから攻めようとの結論に達した。
そして最終的に1か月待ち、それでも政権の交代の様子が、
うかがえず攻めてこないなら、まずハワイ真珠湾を
攻撃するということになった。
そのくらいの時期なら、もし中国の内戦が終結しても、
まだ国外に進出するのは難しく、仮に進出してきても、
日本海軍全軍をもってしなくても、今のアメリカ海軍に
十分勝利できるためであった。
日本に帰ってからも、作戦会議は2,3日行われた。
そんな中、山本、永野ももちろん含めて、二人を通しての
南雲からの詳細な書面等の後押しもあり、晃司の中佐への
昇進が、決まったのであった。
以前のフランス解放から、中国内乱の背景等を含む、
今回のソロモン海戦の功績が、昇進の理由であった。
山本や南雲からの訴えもあり、軍令部から、海軍省に
後押しもあり決定した内容であった。
山本は海軍省に、晃司を出向かせ辞令を受け取りに
行かせた。
晃司が中佐の辞令を持って、大和に帰ってきた。
岡本晃司「山本長官、ただいま帰りました」
山本五十六「帰ったか晃司、辞令は受け取ったな」
晃司「はい、中佐の辞令を受け取りました」
渋野忠和「中佐だもんな、すごいよな」
晃司「忠和、お前も作戦を考えたらいいんや、山本長官を
通して、軍令部が海軍省を後押ししてくれるぞ、
左官ともなれば簡単には行かんからな」
山本「それはそうと、次の出撃までだいぶ日時がある。
一回園田中尉と井上少尉を、お前たちの正体を知る、
連合艦隊の連中に、紹介しておこうと思う。
お前ら行って連れてこい」
晃司「そうですね、その機会があればと思っていたところです。
次の日休みの日、というのがいいですね」
山本「そうか、では次の日休みと言う日に、お前ら行って連れてこい」
忠和「分かりました。ではそうしますので」
晃司と忠和は、週末海軍兵学校へ行った。
一花と胡桃の部屋の前で、ドアを叩く音がすると、
一花と胡桃は喜び、晃司と忠和を出迎えた。
園田一花「晃司さん!」
井上胡桃「忠和さん!」
一花と胡桃は各々健司と誠一に飛びつき、ほぼ同時に
同じ行動を採った。
一花と胡桃は、お互い目を合わせ、そらしてから、下を向いた。
晃司「ああ今日は、要件を伝えて、連れに来たんよ」
忠和「そうなんだ、君たち明日は休みだろ。山本長官が連合艦隊の、
俺たちの正体を知っている人たちに、会わすから是非とも
連れてこいって」
一花「そうなんですか、晃司さん」
胡桃「そうなんですね、忠和さん」
晃司「まあじゃあ、ちょっとここで話をしていこう」
忠和「そうだな、俺たちも話したいことが全くないわけじゃないし、
ちょっとおじゃましていいかな」
一花「どうぞ、何もないですがお茶を、お出しします」
4人は部屋に入り集まった。
忠和「今回は例の策が見事に的中して、敵司令官フレッチャー中将は
行方不明になったようだよ。
それで今回の功績と、以前の功績を踏まえて、晃司は中佐に
昇進したんだ」
一花「そうなんですか、昇進おめでとうございます。でもやっぱり
無事に帰ってきてくれるほうが嬉しいですよ、晃司さん」
胡桃「私もですよ、忠和さん、ご無事が何よりの私たちへの褒美ですよ」
晃司「ありがと、一花」
忠和「ありがとうね、胡桃」
晃司「でも俺ばっかりこんなに昇進していいんかな」
忠和「何言っているんだ、お前がどんどん出世してくれた方が
俺が追いかける意味があるんだよ」
胡桃「そうですよ、どんどん出世して下さい、岡本さん」
一花「もう二人ともあんまりせかさないで下さいよ」
晃司「いいよ、一花。次の作戦も忠和が下地を敷いた上に
成り立ってるからね」
一花「次の作戦ですか、また出兵なんですね」
胡桃「良かったら岡本さんの成功した策と、その後の
様子を教えてください」
晃司「うん、分かった」
晃司と忠和は、晃司が元々一花と胡桃に話していた作戦のうち、
成功した内容と、今後の事についても話した。
一花「そんなことになっていたんですか」
胡桃「次の作戦の詳細については、もちろんまだ言えないですよね」
忠和「そうだね、まだ今の段階ではね」
晃司「ま、そろそろ、それでは皆で大和の方へ行こう」
一花「はい」
胡桃「了解」
4人は海軍兵学校を後にして大和へ向かった。
そして艦橋。
山本「おう、これは園田中尉に井上少尉、久しぶりじゃないか」
一花「ご無沙汰しています、山本長官」
胡桃「お久しぶりです、山本長官」
山本「晃司と忠和も4人一緒に戻ったようだな。今日はもう遅いから明日、
皆に2人を紹介しよう。
2人の寝る所を準備している。案内係に、後で案内させる。
今日はもう寝るかね?」
一花「そうですね、今日も仕事でしたし、ではお言葉に甘えて
お先させて頂きます」
胡桃「私もそうしたいと思いますので、今日は早速ですが
おやすみなさいませ」
山本は一花と胡桃に案内をつけ、二人の寝室まで連れて行かせ、
二人はゆっくり休んだのであった。
そして次の日、一花と胡桃は彼女たちの正体をしる連合艦隊の
将校たちに紹介された。
それからその後、一花と胡桃は兵学校への帰路についたので
あった。
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