第21話 紹介2
山本はまたすぐに、作戦室に帰ってきた。
山本五十六「二人を呼んだ、すぐ来ると思う」
園田一花「山本長官、胡桃いえ井上次期少尉は、大和を見てその大きさに
驚いていましたよ」
山本「俺の前では、気兼ねなくお互いを呼び合ったらいいぞ。
で未来には、大和より大きな戦艦は無いのか?」
岡本晃司「長官、僕らの時代には、戦艦はもうありません。それにしても
忠和も井上次期少尉も、同じようなことを、言っていますね」
井上胡桃「一花、岡本少佐・・」
山本「そうなのか?お前たちの時代には、もう戦艦は無いのか?晃司、
それはお前からも初耳だぞ」
晃司「そういえば言ってなかったでしたっけね、今位の時代から空母が
主力で未来では、既に戦艦は無くなっています」
山本「そうなのか」
しばらくして先に、宇垣が顔を出した。
宇垣纒「山本長官、何か急な要件でも?」
山本「あっちだ、宇垣参謀長」
宇垣「ん、これは園田小いや中尉ではないか、君もこっちに来ていたのかね」
一花「こちらでは、かなりお久ぶりになりますね、宇垣参謀長。
それと紹介致します。私の未来の防衛大の同期生の井上胡桃です。
訳あってうまく行けば、次期少尉との肩書があります」
胡桃「初めまして宇垣参謀長。園田一花の防衛大の3年の同期生の
井上胡桃と申します。現在は軍令部でお世話になっております」
宇垣「これは初めまして、宇垣纒だ。この艦隊の参謀長をさせて
もらっている。宜しく伊藤次期少尉。
で訳とは?あとこちらでとはひょっとして」
山本「その辺は黒島が来てから、まとめて説明する」
その後、黒島が姿を見せた。
黒島亀人「黒島亀人、入ります」
山本「揃ったな。黒島、園田中尉だ」
黒島「あっ、中尉に昇進した園田中尉じゃないか、久しぶりだなあ。
ひょっとして君も、岡本少佐と同じ理由か?」
一花「こちらではかなり久しくなりますね、黒島首席参謀そういう事です。
あと紹介したい人物がいます。
こちら私の未来の防衛大の同期生の、井上胡桃次期少尉です。
これから訳を話しますが、今は次期と言っておきます」
黒島「岡本少佐と一緒に、永野総長の前から消えたと、聞いていたから
そうじゃないかと思ったけど、やはりそうか、
元の未来の世界に戻っていたんだな。
それと、お初にお目にかかる、井上次期少尉、黒島亀人だ、この艦隊の
首席参謀をさせてもらっている、宜しくな」
胡桃「先程、宇垣参謀長にはご挨拶させて頂きましたが、改めてお初に
お目にかかります、黒島首席参謀。
園田一花とは、防衛大の3年の同期生の井上胡桃と申します。
ただ今軍令部にて、お世話になっております」
宇垣「片方の理由は分かったよ、岡本少佐の件もあるし、そうではないかと
思ったが、もう片方のその、次期少尉という訳を、聞かせてもらいたい」
一花「はい、宇垣参謀長それに黒島首席参謀、胡桃いえ井上次期少尉の
提案で、軍令部よりまず日本海軍による、女性下士官、更には女性将校を
含めた養成学校を設立する提案が今国会で討議中です。
これが可決されれば、私たち二人は、直接その養成にあたります。
その為に、その案が可決されれば、彼女は少尉となると言う事です。
どうやら山本長官は、私たちがここに来る前からお知りしなって
おられたようですが」
宇垣「そういう事か、しかし女性下士官に女性将校か、
これはまた大胆な事だね」
黒島「へえ、奇抜な発想するねえ。しかし未来では自衛隊って言う、
防衛のみを行う、武力組織があり、その将校にあたる幹部を育てる、
養成学校として、防衛大ってのがあって、君たちはそこの学生なんだろ。
現に園田中尉は現在、正式に唯一の軍人で、しかも将校だからな」
胡桃「ええお三方、それに永野総長と伊藤次長には言いましたが、
私たちの世界は日本だけでなく、軍関係だけではなくて、それ以上に、
企業の幹部やトップ、政治家までも、女性の社会的地位が
向上しています」
宇垣「政治家までもか、それはまた半世紀程で、がらりと世界は
変わるもんだね」
黒島「そうですよね。にしても井上次期少尉、君はかなり積極的な女性だね。
軍人として、見てすまないが、園田中尉と、また違った能力を持って
いるようだな。
あと気兼ねなく俺たちの前で普段呼び合っている様に、
呼び合っていいぞ。ですよね、宇垣参謀長」
宇垣「もちろんそれはかまわんが、君たちのそれぞれ、この時代生かせそうで、
得意な分野をまだ特に、聞いてみたい」
一花「お三方ありがとうございます。では、防衛大の中では私は、戦史が
それなりに得手につき、胡桃はこの世界には無かった、
日本国憲法という憲法の元の、法律が得意でしたが、
結局、今の日本ではどちらも使えません。
ただ私達、単なる学生で、しかも防衛大では男子と同じように扱われ、
殊更それ以外に、勉学の方でも得手につくものはないのですが、
工学技術なら、まだこの時代でも、使えると思います」
胡桃「そうですね、ひょっとしたらこの時代では、まだ科学技術に、
分類される分野に、なるかもしれません」
宇垣「そうか科学技術か、そう言えば以前、岡本少佐が核兵器や
ミサイルとかいう、難しいことを言っていたが」
一花「私たちはまだ初歩的な学生で、しかも科学にしろ工学にしろ、技術の
分野は専攻ですらないので、理論的に使えるとしたら、簡単なものに
限るでしょう。
ただ、この時代よりは、進化していると思いますので、役に立つ
かもしれません」
黒島「そりゃあ楽しみだが、実戦に間に合ったらいいな」
山本「そうか科学、工学技術か、その辺軍令部のほうに、連絡を
入れといてみよう。あそれから宇垣参謀長、黒島首席参謀、
詳しいことは知らんが、岡本少佐、渋野次期中尉、園田中尉、
井上次期少尉は、4人とも皆、面識があるらしい」
宇垣「そうなんですね」
黒島「そうでしたか、それは話がまとまりやすいってもんですね」
山本「とりあえず、このくらいにしておこうと思うが、他に誰か何かあれば
言ってくれ。無い様ならこれで紹介を終わりにしようと思う。
無いか、それでは皆解散して持ち場へついてくれ」
胡桃「皆さん今日はどうもありがとうございました。私たちの正体を
知っておられる、他の艦の方々にも、宜しくお願い致します」
一花「それでは山本長官、皆さん、私たちはこれで、失礼させて頂きたいと、
思いますので、ありがとうございました」
山本「うむ、またその後の色々な話を聞かせてくれ、二人とも」
一花「はい、では失礼致します」
胡桃「失礼致します」
晃司、一花、胡桃は先に作戦室を出た。
晃司「そこまででも、送っていこうか?」
一花「いえいいですよ、晃司さん。なんだかんだで、胡桃が気を
使いますから、ね」
一花は、後半を健司の耳のぞばでささやき、胡桃と一緒に大和を
後にして、来しなと逆ルートを通って、軍用機で軍令部までの
帰路についたのであった。
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