第24話

 今、俺、左にシェロ、右に暗、目の前には協会の人がいる。


「すまんかった。こっちの監督不行のせいで、君たちを危険な目に会わせてしまった。誠に、申し訳ない」


 そう言って頭を下げる。

 よ、良かったぁ。

 罪に問われるかと思ったけど、そうでは無いらしい。


「それに、遺体を持ち帰ってくれてありがとう」


 いやーシェロの顔を少し明るくなったし、終わった。

 さてと、さっさとEランクにして貰って、ここを去るとしよう。


「それでは、あの犯罪者予備軍は他の人を即死させた事から相当なレベルだと思われ、それを倒したそちらの無名パーティの皆さんをDランクに上げようと思う。どうかね」


「え、お断りします」


「良いんですか! あんなゴミ倒しただけで!」


「ん?」


 三者三様の言葉を漏らす。

 Dランクの基本推奨レベルは3000である。

 そんな所に俺が行ってもすぐにやられてしまうのがオチだ。

 しかし、ここに取り敢えず強く硬いのを破壊したい衝動に駆られている幼女がいる。

 女の子は意味は分かってなさそうたけど。


 なんやかんやでDランクになった。なってしまった。


 現在Dランクダンジョンに来ている。

 流石に人が多く、様々なパーティが見られた。


「人が多いな」


「まぁ、初心者から少し抜けた程度の実力だから多いんだろ」


「マスターはそこまで行ってないよな」


「笑うな。まずは俺のレベリングだ!」


 ダンジョンに入室して、他のパーティの人と会わないように違う場所に移動する。

 すると、赤い鱗の大きなトカゲが天井を移動して、俺達を見つけたら火球を飛ばして来た。


「デカ!」


 普通に人が入る程度の大きさがある火球を放って来た。

 あのサイズでここまで大きな火球を飛ばして来るとは思ってなかったので、正直驚いている。

 びっくり仰天だ。


「そいや!」


 シェロが戦斧を振るって火球を霧散させて、跳躍してトカゲを真っ二つにした。

 バタッと地面に倒れて来たトカゲは青魔石になった。

 青魔石は2万円である。


「ん〜マスター、さっき天井叩いて分かったけど、壁破壊する程度の火力出したら風圧が怖いから壁破壊出来なさそうだは」


「りょーかい」


 さて、俺のレベルはどうやってあげるか?

 ここは基本的にトカゲなので、足を切り飛ばして、動きを封じて暗が針を使って口を封じる。

 シェロが手で鱗を剥いで、そこに俺がナイフを突き刺す。

 これでトカゲを倒して俺に経験値が入る。

 このやり方で当分は行こうかな?


 途中で罠があったが、暗が見つけるので問題なく突破する。

 俺達クオリティで道中で宝箱が見つかる訳も無いのでサクサク進む。


「お、マスター」


「どうした?」


「レベル上がった」


「おお!」


 シェロのステータスを確認すると、確かにレベルが2に上がっていた。

 シェロがステ振りを行う。

 スキポイントの獲得可能なスキルは俺とシェロとは違い、スキポイントの使い道は現在ない。

 そんな寄生プレイをしながら進み、休む。


 Fと比べて1層事の広さが違い、1層を攻略するだけでも数時間程度は終わらない。

 基本的にダンジョン内でテントなどを用意して野宿するのが基本だ。

 ま、当分はレベル上げながら攻略を進めて行く事にした。


 今、現在目の前に違う人のパーティが居る。


「おいこんな幼い子を連れて恥ずかしく⋯⋯」


 最近のシェロは幼い、小さい、チビなどのとにかく小さいが含まれる言葉を嫌い、このような他人でも言葉にしたら吹き飛ばされる。

 これにより、パーティ事のいざこざがあると思ったけど、問題なかった。

 シェロの拳1つで黙らせたのだ。


「⋯⋯シェロ」


「し、仕方ないやん! あいつがバカにして来るんだもん!」


 シェロのこう言う所は可愛いと思うけど、行動が怖いんだよなぁ。

 ランダム召喚で魔石を手に入れてから俺達はダンジョンから退出した。


 それからの日々は攻略、レベリング、休みを繰り返していた。


 ◇

 名前:伊集院柊

 レベル:1524

 ステポイント:0

 スキポイント:25


 筋力:4914

 敏捷:2086

 魔力:2007

 忍耐:2003

 器用:20023

 運気:2220


 称号

 ・主 ・通常成長者


 スキル

 ・ランダム召喚 ・筋力強化[9] ・敏捷強化[4] ・運気強化[9] ・鑑定〈10〉 ・アイテムボックス〈10〉 ・感知〈1〉 ・気配鈍化〈1〉 ・音鈍化〈1〉 ・臭い鈍化〈1〉 魔力操作〈10〉 ・遠見〈1〉


 魔法

 ・氷属性魔法[3]

 ◇


 こっからは成長が遅くなる。

 それが新しく追加された称号により。

 平均では3000レベルくらいで手に入る称号らしいんだけど、俺は2分の1くらいで来やがった。

 シェロ達はレベルは上がらなかった。

 ずっと同じダンジョンを使っているのだが、未だに攻略されてなかった。


 アイテムボックスの方も手に入り、そこそこ入る。

 最近の稼ぎはウハウハである。


 ま、言い換えれば何故か沢山モンスターが寄って来ると言う事なのだが。


「12月11日か。ランダム召喚で黒魔石が基本に成ったけど、怖いから売れてないし、せめて使える物出ないかなぁ」


 7回連続最低レアリティは出ない仕様となっている。


「ランダム召喚」


 激しい光が出現して、2人の人影が現れる。

 2人。2人!


「こ、ここは?」


「どこでしょうか、お兄様」


 出て来たのは金髪の男と女だった。

 2人とも修道服を来ており、ロザリオを吊るしていた。


「シェロ、まさかの2人来たぞ」


「ええ。これはびっくり。ステータスの方は?」


「あぁ。⋯⋯あれ? 上手く見えないな?」


「そう言うモノ⋯⋯成程、これがシークレットって奴か」


 ◇◆

 ミスリアの双子兄妹

 得意分野:回復 神聖魔法

 ◆◇


 ステータスが分からない。

 これがシークレットキャラだと思って差し支えないだろう。


「なぁ。2人ともは召喚される前はどうだった?」


「あぁ。あれ、服を着ているな?」


 ⋯⋯え?


「あ、本当ですね」


「前は何があった?」


「産まれた時の姿で、神に対する感謝を捧げ、勉強を繰り返しておりました」


「永遠とも言える修行を経て、我々は神ミスリア様の名により、我があるじにこの身を持って、全身全霊で支える事を」


「支える事を」


「「誓います」」


 2人が神でも崇めているように俺にひれ伏す。

 なんだろうか⋯⋯なんとも言えない気分になる。

 シークレットキャラ、強さは異次元だと思うけど⋯⋯どうなんだろうか?


「君達は戦う事は得意?」


「いえ。僕達の人生は修行と苦行、信仰でした。故に、他者の命を救う事は出来ても、奪う事は無理です」


「そっか」

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